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バトンはチャンピオンにふさわしいのか?

JUGEMテーマ:スポーツ

▽バトンの2009年シーズン

前半戦に6勝を挙げその後、勝てないバトンに対してチャンピオンにふさわしくないという批判もあるが、本当に彼はチャンピオンにふさわしくないのだろうか。
今シーズンを振り返りながら考えてみよう。

前半戦の彼はアンタッチャブルだった。
最初の7レースで6勝。
これは全盛期のミハエル・シューマッハーと並ぶ成績である。

ところが一転、この後は失速する。
残りの10レースでは一度も勝てずに表彰台もイタリアとアブダビの二度だけ。
ここに多くの人が物足りなさを覚えるのだろう。

だが、チャンピオンシップは、1年間で最も多くのポイントを稼いだ者がなる仕組みである。
過去には1勝しかせずにチャンピオンになったドライバーもいる。
最多勝でなくてチャンピオンになったドライバーは、何人もいる。

 バトンの6勝は最多勝であり、2位のベッテルの4勝より2勝も多い。

彼がブラウンGPという小さなチームで、チャンピオンを勝ち取ったという事実を忘れてはならない。
彼らの活動資金は全チーム中最下位で、後半戦失速することは予想されていた。
だから前半戦にポイントを稼ぐ必要があった。
そして、バトンはほとんどミスを犯さず、それを実行した。

マシンが良かったから勝っただけという批判もあるだろう。
確かに前半のブラウンGPの競争力は高かった。

だが、圧倒的なアドバンテージがあったのは、最初の3レースくらいで、その後はライバルチームの追い上げが急で、楽には勝てなくなった。
それでもバトンは予選のスーパーラップや、レース序盤の素晴らしいオーバーテイクで、勝利をものにしてきた。
その走りは、見事としか言えなかった。

バトンは、後半戦でも苦しみながらもポイントを確実に獲得し続けた。
予選でバリチェロに差をつけられることが多かったが、それでもレースが終わってみればバリチェロの後ろでフィニッシュも多く、被害を最小限度に抑えた。
リタイヤはベルギーでグロージャンにぶつけられた一回だけ。
苦しい状況でもあきらめず、その中でミスをせずにベストをつくすドライビングは素晴らしい。

確かにマシンに問題ある時に、それを修正できないという面はあるかもしれない。
だが決まったマシンに乗せたときの彼は、手がつけられない。

バトンが偉大なチャンピオンかどうかについては議論がある。
だが、それは彼の今後を見ればいい。
現時点で、それを判断することはないだろう。

F1ドライバーになることは難しい。
F1で勝つことも難しい。
そして、ワールド・チャンピオンになることは、もっと難しい。

それを考えると彼の偉業に、今は拍手を送りたい。


▽経験不足のベッテル

今シーズンのベッテルは、素晴らしい走りを見せた。
レッドブルのマシンも素晴らしかった。
だが、チャンピオンにはなれなかった。

これは彼とチームの経験不足が災いした。
チャンピオンを争うのは、初めての彼らである。
1年間の長いシーズンを戦って行くには、ただ速いだけでは、十分ではない。

ベッテルは今シーズン開幕戦で2位を走行中にクビサと接触。
少なくとも、3位6ポイントが確実だったレースからリタイヤした。
さらにシンガポールではピットでのスピード違反で3ポイントを失う。

ここで失った9ポイントは痛すぎた。
これはベッテルの経験不足であり、この9ポイントがあれば、もっとバトンにプレッシャーをかけられたし、逆転チャンピオンの可能性は高くなった。

さらに予選でのミスも多く、これも勝負を困難にした。

ただ、これはベッテルだけに原因があるわけではない。
レッドブルのマシンは、ピークのダウンフォース量は大きいのだが、風の影響やマシンの車高の変化に敏感で、ダウンフォース量が変化するという傾向があり、これがドライビングを難しくしていた。

レッドブルのマシンが速いことに間違いはないが、ドライビングはかなり難しかった。
だから、ミスなく決まると素晴らしいタイムが出せるが、ミスが出やすくその場合、大きくタイムロスするマシンだった。

しかし、ベッテルは決して攻めることを止めなかった。
ミスをしても、それでもアクセルを踏み続けた。
前半戦、ウェバーがベッテルに勝てなかったのは、このマシン特性が大きく影響していた。
ダウンフォース量が変化するマシンなので、ウェバーは思い切って攻められなかった。
だがベッテルは攻め続けたことが、前半戦での成績の差になった。

シルバーストーン以降、レッドブルのマシンがよりマイルドな空力特性を持つに至って、ウェバーは勝つことができるようになった。

また予選が決勝レースの一部へと組み入れられる現行のシステムにおいて、チームの戦術面での差も大きかった。
自分達のタイムとライバル勢のタイム差を予想し、Q3での燃料搭載量を決めて、スタートし、決勝のピットインの時期や燃料搭載量、タイヤの選択、それらを短時間に最適な答えを出して、ミスなく実行しなければ、勝てない。

チームの総合力において、ブラウンGPに一日の長があったことは否めない。

こうしてチャンピオン争いにおいて敗れ去ったベッテルとレッドブルであるが、来年が楽しみである。
ベッテルは同じ間違いを犯さないだろうし、チームもまた今年一年本当のプレッシャーの中で経験を積んだ。
ニューウェイとベッテルのコンビが、来年どのような活躍を見せてくれるか今から楽しみである。

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