ミハエル チャンピオンに大きく前進
中国GPでミハエル・シューマッハーが勝ち、今年のチャンピオンシップは大きくミハエル・シューマッハーに傾いた。
中国GPで勝ったことによりミハエル・シューマッハーは今シーズン7勝。
一方のアロンソは現在6勝で、ポイントは同点。
ポイントが同点の場合、勝ち星が多い方がチャンピオンになる。
そうすると次のレースでアロンソが勝っても、ミハエルが2位であれば2点差で最終戦に臨む。
最終戦でミハエルが勝てば、アロンソが2位だと、ポイントは同点。
この場合は勝ち星が多いミハエル・シューマッハーがチャンピオンになる。
これは鈴鹿でミハエル・シューマッハーが勝った場合も、同じ事がいえる。
鈴鹿でミハエルが勝ち、アロンソが2位で、最終戦でアロンソが勝った場合でも、ミハエルは2位になれればポイントは同点だが、勝ち星が多いミハエル・シューマッハーがチャンピオンだ。
つまり、ミハエルは実質、残り二戦の内、一つ勝てばチャンピオンになれる可能性が高い。
こうなってくるとハンガリーGPでミハエル・シューマッハーが獲得した、繰り上げの1ポイントがとても重要な意味を持ってくる。
そして残り二戦で、この二台以外が1位、2位になることはあまり想像しづらい。
唯一、ライコネンだけが対抗できるのだが、マクラーレンは成績が安定していないし、信頼性も乏しい。
アロンソはライコネンに期待したいのだが、ライコネンは来年、フェラーリに行く。
そうなると、アロンソはライコネンにもあまり、期待できない。
フィジケラのアシストも期待できないが、それはマッサを頼りにできないミハエルも同じだからイーブンだ。
こうして見ると、二人は同点とはいえミハエルが有利になったことは否定できない。
アロンソは二連勝しないと厳しいが、カナダGP以降勝てていない。
過去に、偉大な二人のドライバーがチャンピオンを争った年として私が記憶しているのは、ニキ・ラウダとアラン・プロストがチャンピオンを争った1984年だ。
ちなみにこの年は0.5ポイント差でニキ・ラウダがチャンピオンになった。
この0.5ポイントという中途半端な差は、このシーズンのモナコGPが豪雨により途中で中止になり、レースが完全に成立せずに、通常の半分のポイントしか付与されなかったためだ。
レース中断時点で、トップを走っていたプロストは通常の9ポイントではなく、4.5ポイントしか獲得できなかった。
セナが弱小チームのトールマンで雨の中、激走を見せ2位に入賞した伝説のGPだ。
これまでミハエル・シューマッハーに押されながらも常に優位を維持してきたアロンソ。
だがこれで立場は逆転した。
アロンソは二連勝しなければチャンピオンになれない。
今まではポイント計算しながら、走れたがこれからはそうはいかない。
最後の二戦は、二人とも常に全力でプッシュするのみ。
二人の偉大なドライバーの戦いが、鈴鹿でクライマックスを迎える。
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