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2014 Rd.9 イギリスGP観戦記 天国と地獄 ルイスとニコのイギリスGP

45806154-165420572014 イギリスGPを迎えるまでメルセデスの二人のポイント差は29点もあった。これはルイスが二度のメカニカルトラブルでリタイヤに見舞われたからである。これまで幸運はニコに微笑んできたが、ついに彼にもトラブルが発生した。ギアボックスのトラブルで彼は30周にマシンをストップ。2位だったハミルトンは楽々ニコをパスした。 だがそれまでの流れはニコに傾いていた。予選ではポールポジションを獲得し、スタートからそのままリードを築く。ハミルトンが迫ってきてはいたが、オーストリアGP同様に逃げ切ることは可能だった。一方のハミルトンは予選Q3の最後のアタックを自身の判断で中止。路面状況が急激に変化し、予選上位が最後のアタックのセクター3で数秒タイムアップしたことを考えると、ルイスの判断ミスは大きな代償となった。 それでもルイスはいつものようにスタートから徐々に順位をあげて、2位まではきた。だが今のハミルトンにはロズベルグの後の2位では意味がない。今回、ニコが優勝しルイスが2位の場合、36ポイントもの大差がつく。是が非でもロズベルグの前でフィニッシュしたかったハミルトン。2人の激しいバトルが予想されたが、それはあっさりと覆された。 シルバーストーンは駆動系にそれほど厳しいサーキットではない。だが今年のギアボックスは6レース連続使用が義務づけられている。しかも今年はパワーユニットが発生するトルクは増えているが、ギアのサイズは限定されていて、大きなトルクを受けるのが難しくなっている。また当然、重量軽減するためにギアの軽量化も推し進められていて、ギアボックスの耐久性は難しさを増していた。 同じマシンに乗る2人のドライバーが同じコースを走れば、前のドライバーがミスをしない限り抜くのは難しい。それは今年のメルセデスの二人のドライバーのバトルを見ればよくわかる。だからニコにトラブルがなければ、彼が優勝していた可能性は高い。 だがハミルトンに必要だったのは25ポイントだった。どういう形によるかは、構っていられない。そういう意味で彼にとってはハッピーな母国GPになった。 これで彼ら二人のポイント差はわずかに4ポイント。これはもはや、ないに等しい差である。シーズンは残り半分。次のドイツGPから再びシーズンは開幕する。 二人の差はほとんどないので、勝負はほんの小さなミスやトラブルで決まる。これからは小さなディテールが勝負を決める厳しい戦いが続いていくだろう。

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