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2014 Rd.11 ハンガリーGP観戦記 もう一人の勝者 アロンソ Part2

  Part1から見る だがアロンソの最大の誤算は、リカルドだった。ハミルトンの後ろにリカルドが来たのはアロンソにとっては好都合だった。アロンソがペースを落として走るとリカルドがハミルトンを攻めるので、ハミルトンはアロンソにアタックできない。 アロンソの作戦は見事に成功する寸前だった。だがリカルドはアロンソの計算を超えていた。いくら状態のいいソフトタイヤを履いていても、リカルドがメルセデスのハミルトンをアウトから抜くとは予想できない。アロンソはハミルトンの速さを身をもって経験しているからである。しかもその直後、ストレートで追いついたリカルドはアロンソを1コーナーでずばりと抜き去り、その瞬間勝負あった。アロンソにはリカルドに挑戦する力は残されていなかったし、2位を守るためにハミルトンを抑えるので精一杯であった。 そうしてこの時代を超えて語り継がれるだろう名勝負は終わりをむかえた。 実際、日曜日のコンディションは金曜日とはかなり変化し、気温も下がったので、タイヤがどこまでもつのかは誰もが手探り状態であった。だが優勝を狙うアロンソは迷いがなかった。彼が優勝するにはソフトでの32周のランを成功させるしかなかったからである。追いかけてくるハミルトンは39周目にタイヤ交換したが、彼はミディアムを装着した。これならば残り31周は可能である。 だからアロンソが即座にこの決断するのは難しかった。失敗すれば表彰台を逃す可能性もあったし、フィニッシュした時には後ろにメルセデスの2台がいたわけで、4位になる可能性は大きかった。失敗すれば盛大に批判されたことだろう。アロンソは優勝できずに2位になったわけで、これを失敗という事もできるかもしれない。だがアロンソが勝利への挑戦を試みたことで、2位を得られたことを忘れてはいけない。 アロンソがもう一度タイヤ交換していれば2位にはなれなかった。優勝はできなかったアロンソだが、やるべきことは全てやった。だから優勝できなくても表彰台で喜んでいたし、2位でも満足だと述べている。今のフェラーリのマシンで表彰台をのぞむこと自体がかなり挑戦的なのだから、挑戦しなければ何も得られないことを彼はよく理解している。 毎回、私がアロンソを称賛していることに飽きている人も多いかもしれない。だがやはり今回のようなレースを見せられると、彼の類い希なる能力には感心させられる。 通常、F1マシンをドライブしているドライバーは運転に集中し、他のことは考えられなくなる。だからピットから無線でどのコーナーをどう走るようにと細かい指示が出る。だがアロンソは違う、彼は自分が何をしているのか知っているし、他のドライバーがどうしようとしてるのかも理解し、作戦を組み立てることができる。 これは誰でもできることではない。だから彼は何年もチャンピオンシップから見放されているのに、世界最高のドライバーであると認められるのである。

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