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フェラーリ不振の原因は技術ではなく組織である

  フェラーリ不振の原因の一つはパワーユニットの出力不足にあるのは間違いないが、その原因がシャシー側にあるといったら混乱するかもしれない。 先日、2014年シーズン失敗の責任をとらされて解雇されたパワーユニット責任者のルカ・マルモーニが話した内容がとても興味深い。 彼は今年のパワーユニットを極端までにコンパクトにした。当然それにより出力に関しては妥協せざるを得なかった。だがこのパワーユニットのコンセプトはシャシー開発側からの要求であり、パワーユニット側の責任ではないと話している。 マシンの総合責任者であるニコラス・トンバジズが、小型のインタークーラーを備え、小型化したパワーユニットにより空力的なメリットを得る必要があるとマルモーニに伝えた。2014年のルール変更で大幅に失ったダウンフォースを復活させ、コーナーリングスピードを向上させて、失った最高速を補い、全体的なラップタイム向上を狙った設計コンセプトである。 これは昨年までレッドブルが見せていた設計コンセプトに似ている。彼らはマシンのパッケージを空力優先で設計し、熱を嫌うバッテリーをギアボックスの横に設置したり、ギア比を下げて最高速が延びなくても、加速とコーナーリングスピードで圧倒的な速さを実現してきた。 だがこの画期的な設計コンセプトは失敗した。実際、彼らのF14Tはコーナーリングを得意としているが、それでもメルセデスやレッドブルとほぼ同等レベルか少し劣っている。しかもそのパワーユニットは悲惨で、最高速ではメルセデス勢に全く歯が立たない。 このマルモーニの発言が真実だとすれば、本来責任をとるべきはトンバジズである。だが直接的な責任のないマルモーニを解雇するところを見ると、この解雇には政治的な部分があると感じられる。そしてこれこそがかつてフェラーリを暗黒時代に導いた悪癖でもある。そしてもし、この決定がマルコ・マテアッチ自身が下したのであれば、事態は深刻である。 もっともそのトンバジズやパット・フライも解雇の噂があり、実際あと1名上級エンジニアが解雇されると社内ではつぶやかれている。 フェラーリの迷走はどこまで続くのであろうか。

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