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2014 Rd.14 シンガポールGP観戦記 実力で勝利を引き寄せたハミルトン

801731975-23232092014-s スタートからレースをリードしていたハミルトンは、SC登場時にタイヤ交換をしなかった。彼らは当初の予定通りスーパーソフトを3回履いてからソフトに交換する作戦を変更しなかった為である。だがこれが彼の楽勝ペースを大きく崩した。 メルセデスはハミルトンがリードを失うことを嫌がっていた。これは抜きにくいシンガポールGPの特性が大きく影響している。もしSC走行中にタイヤ交換すれば、ベッテルにリードを奪われていた可能性があった。その場合、レース再開後にベッテルの後ろでペースを抑えられる。これは速いマシンを持つメルセデスには避けたい展開である。 もちろんステイアウトしても、レース再開後に2位のベッテルとの差を27秒以上にしなければならない。しかもスーパーソフトがたれない短い周回数で大きなギャップを作る必要がある。これは毎周2秒以上の差を広げなければならないわけで、最強のメルセデスに最速のハミルトンが乗っても難しいミッションである。 だがハミルトンはメルセデスのパワーを全開にして、スーパーソフトのグリップを最大限に活かして2秒以上の差を毎周開けてきた。最後はタイヤがたれてきたので、ラップタイム差は小さくなったが、25秒近くギャップを広げた時点で、最後のタイヤ交換をした。 この時、ハミルトンは新品のソフトタイヤを履き、2位でコースに戻った。前にいるのは古いタイヤを履くベッテル。抜くのが難しいサーキットの特徴を考えればベッテルが勝ってもおかしくはなかった。 だがハミルトンの走りは想像以上だった。新品のソフトタイヤの有利さを活かすべく、ピットアウト直後から攻めて、アウトラップの次の周であっさりと抜いてしまう。 ベッテルは第2スティントを短くして、SC登場よりも前でタイヤ交換しており、上位陣の中では一番タイヤが古かった。その為、立ち上がりのトラクションが足りず、為す術がなかった。もちろん40馬力あるといわれるメルセデスとルノーのパワー差が圧倒的であることもある。 ベッテルは彼よりタイヤの状態がいいリカルドやアロンソは抑えることに成功している。もしメルセデスとの圧倒的な差がなければ、ベッテルの勝利は幻ではなく、実現していたかもしれない。 こうしてハミルトンは失いかけたレースを自分の手に取り戻し、勝利した。これによりステアリングのトラブルにより、シフトチェンジに問題が生じ、リタイヤしたロズベルグをチャンピオンシップで3ポイント逆転することに成功した。 だがまだシーズンは5レースも残しているし、最終戦はダブルポイントである。今はハミルトンに勢いがあるように見えるが、それはたった1レースで変わることもある。最終戦までチャンピオンシップ争いは、目が離せない。

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