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ビアンキ 事故の裏側

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先日、開催された日本GPで悲劇的な事故が発生した。マルシアのジュール・ビアンキがスーティルのマシンを撤去していたクレーン車に激突。意識不明の重体になっている。 ではこの事故はどうして発生し、防ぐことはできなかったのだろうか? 事故の発端はスーティルのクラッシュに遡る。レース序盤の豪雨から小雨になり安定していた天候が、レース終盤に向けてまた雨脚が強くなってきた。ほとんどのマシンがインターミディエイトタイヤを装着する中、ドライブは益々難しくなってきていた。 そうした中でザウバーのスーティルがクラッシュしたわけだが、そもそもF1マシンは雨に極めて弱い。彼らのマシンは非常に軽量なので、簡単に水の上にのり簡単にスピンしてしまう。そして一度アクアプレーニング現象が発生すると、ドライバーにできることはほとんどない。しかも彼は多くの周回数を走ったインターミディエイトタイヤを履いていた。 もちろんビアンキがクラッシュした場面では、ダブルイエローが出されていたわけだし、どういう状況でも飛び出さないようなスピードで走らなければならなかったのだろう。だが彼のマシンがダウンフォースの少ないマルシアであったことも考慮しなければならない。 またビアンキがコースアウトしたポストでは緑色のフラッグ降られていたが、これはこの先はイエロー区間が解除されましたよということなので、この事故とは直接の関係はない(もちろんその前のポストがどうしていたかは興味深いのだが)。 セーフティカーを登場させていればという意見も、もっともである。だが通常マシンがコース上などをふさいでいなければ、イエローフラッグでその間にマシンを撤去するのが通常である。それにコントロールタワーから刻々と変化する路面状況を全てモニターすることも困難であり、セーフティカーを登場させる基準を今後、どうするかは議論の余地があるとは思うが、この判断が間違っていたとは思えない。 またこの場面ではもうかなり暗くなりドライビングが難しかったという意見もある。確かに暗かったがドライバーによって、その見解はわかれる。あるドライバーは全然大丈夫だと言っているし、あるドライバーはレースを中止するべきだとクレームをつけていた。 台風が接近してきていたのだから、レース開始時間を早めるべきとの意見もあった。だが海外へ放送する衛星回線は事前に予約してあり、簡単には変更できない事情もある。もちろん安全性は最優先されるべきではあるが、ビジネス面もおろそかにはできない。 スタートを遅らせることの方が比較的容易ではあるが、その為にはもっとスタート時間を早める必要がある。15時スタートでは日没時間の問題もあり、遅らせることは難しい。 事故の場面では、スーティルのマシンをつり上げたクレーンがバックして、ガードレールの隙間からマシンを外に運びだそうとバックしている。そのバックしているクレーンの左斜め後ろからビアンキのマシンが飛び込んできている。この時、マシンの後ろ半分は完全にクレーン車と激突し大破している。だからマシンのフロント部分は比較的被害が少ない。丁度ドライバーのヘルメット部分はギリギリクレーン車と当たる場所にあり、彼は意識不明の重体となった。当たり所が悪ければ、最悪の事態も考えられた。 彼のマシンはほとんど減速することなく200km/h以上のスピードで激突した思われる。もしクレーン車の位置がもう少し前であれば、ビアンキが突っ込んだ位置が、もう少し右側であれば、これほどの大惨事にはならなかった。F1に限らず事故というのは、常に最悪のタイミングと場所でおこると言うことを忘れてはいけない。 過去の20年間ではその状況が常に微妙に外れて大惨事にならなかった。上記の状況を考えるとこの事故は誰もが最善と考えて行動した結果、発生してしまった。誰に責任があると特定できるとは思えない。多くの原因がこの結果をもたらした。天候、ビアンキ、タイヤ、FIA、トラクターの位置、迫る日没、その他の要因が複雑に絡み合って最悪の状況を生み出した。 今はただ、ビアンキが早く回復してくれることを祈るしかない。
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