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中堅3チームがアメリカGPボイコットを計画していた

  ケータハムとマルシアが欠場したアメリカGPの裏側でさらに中堅チームであるザウバー、ロータス、フォースインディアの3チームがアメリカGP参加のボイコットを画策していたことがわかった。 彼らがアメリカGPの欠場を考えたのは、今のF1が中小チームに対して厳しいので、待遇を改善するように求めるためである。アメリカGPはケータハムとマルシアが欠場したために9チーム18台によって争われた。 だがもしこの3チームがアメリカGPをボイコットしていたならば、わずか6チーム12台で争われていたことになる。12台しかいなければ予選のQ1もQ2も不必要な台数である。 彼らがアメリカGPをボイコットの舞台に選ぼうとしたのは、ちょうどケータハムとマルシアが急遽撤退したのでチーム数が9チームに削減され、彼ら3チームが結束して行動すればかなりの影響力を与えられると計算したからである。 実際、F1の重要事項はF1のビジネス面を仕切るFOMとFIAとレッドブルやフェラーリ、メルセデス、マクラーレンなどの有力チームだけで決めているのが現実であり、中小チームの意見を反映させられる機会がない。 そこで彼らは自分達の意見を表明するためにボイコットという手段を選ぼうとした。 今のF1の収入は大きく分けて二つありF1の主に放送権料と開催権料の収入から分配される分配金とスポンサーからの収入である。だが2008年のリーマンショック以降、純粋なスポンサーからの収入は減るばかりである。あの名門マクラーレンでさえもタイトルスポンサーがない状態が続いている。 分配金はコンストラクターズランキングの上位チームにより多く配られる契約になっており、中小チームへの分配金は少なく、それが中小チームの収入を少なくしている原因の1つになっている。 その為、中堅以下のチームが経済的苦境にあるのは、誰もが知っている事実である。それが表面化したのが今年であり、ケータハムとマルシアの撤退でそれが現実となった。 収入の問題は原因のひとつであり、今のF1にお金がかかりすぎることが根本的な原因である。今のF1には年間を通じて参戦するだけ100億円程度の資金が必要であり、これを分配金だけでまかなうのは、成績が中位以下のチームでは難しいのが現状である。 このボイコット事件はF1のビジネス面を取り仕切る組織の責任者がこの3チームに、善処を約束して未遂に終わった。だが具体的にどう対応するとは約束しておらず、具体策はこれからである。 しかもトップチームは分配金の一部を中小チームに分け与えることには否定的である。その為、彼らの思いが実際に聞き入れられるかは不透明のままである。