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なぜマクラーレンにタイトルスポンサーがつかないのか?

_FER0405-s 今年もマクラーレンはメインスポンサーなしでシーズンに突入するようである。では彼らほどのチームがどうしてメインスポンサーをみつけられないのであろうか? かつては日本のソニーがマクラーレンのタイトルスポンサーになるとも噂されたが実現しなかった。 関連記事:ソニーがマクラーレンのスポンサーならない理由 そこのは当然、リーマン・ショックから続く世界経済の足踏みがあるのは間違いない。100億円前後のお金を一つのカテゴリーに投資できる企業は世界的に見ても限られているし、またF1はその投資金額にある見返りがあるかというと判断も難しい。 F1のスポンサーシップで一番成功したのはマルボロであるのは間違いないが、彼らとて数十年をかけて成功への階段を上り詰めていたわけで、現在の短期間で業績を求められる世界企業にとってF1はあまりにもハードルが高い。 もちろんF1以外のモータースポーツではスポンサーがいる。ではF1と他のカテゴリーで何が違うかというとその金額が圧倒的に違う。他のカテゴリーであれば数億円から十億円でメインスポンサーになれるチームを探すのは難しくない。だがF1で数億円ではほとんど相手にされないであろう。 では昨年、マルティニを獲得したウィリアムズはどうなのだろう。彼らはマルティニに対して思い切ったディスカウントした金額を提示したと言われている。また年々スポンサー料が増える契約であるとも言われている。それに獲得ポイントやコンストラクターズランキングに見合ったボーナスを付与している。つまり最初の敷居を低くして契約し徐々に金額を増やし、成績がよければ収入が増える仕組みである。 だがマクラーレンは頑なにスポンサー料の値引きを渋っている。確かに一度値引きをすると次回以降の金額交渉が難しくなるのは理解できる。だがそもそも支払えないのであれば、ウィリアムズのように最初には安い金額で契約し、納得した上で金額を上げていくというのも一つの手であると考えられる。 マクラーレンの給与水準はF1界で一番高いと言われており、そのこともスポンサー料の値下げがしにくい要因の1つになっている。 確かにチームが言うように、タイトルスポンサーがなくてもマクラーレンがすぐに行き詰まるとは思わないが、開発や有能なスタッフを引き留めるのに苦労するかもしれない。 またこの事例はF1にとって真のブランドであるのはフェラーリだけであるということを明確に表している。そのフェラーリも親会社からの支援を削減されてペイドライバーをテストドライバーとして契約しなければいなけない状況である。マクラーレンが高額のタイトルスポンサー探しに苦労するのも当然ではある。 もはやF1にとって支出の削減は待ったなしである。マクラーレンにスポンサーがつかないのに、中小のチームにスポンサーを見つけろというのはかなり難しいミッションである。このままでは参戦するのが5チームになってもおかしくない状況である。誰もがこのままでやっていけないことを理解している。早く行動に移さなければF1の未来は暗いままである。