デザイン哲学を変更したマクラーレン
マクラーレン・ホンダは今年の新車MP4-30を発表したが、彼らはデザイン哲学を変更した模様である。
これまでマクラーレンは最大のダウンフォースを追求して設計される傾向があった。だが風洞実験で最大のダウンフォースを発生していても、コース上でその数字が出るとは限らない。
マシンの姿勢が変わるブレーキング時や加速時、相手とバトルしている時は設計時に想定した最大のダウンフォースが出ない。
マシンのダウンフォースが状況により変化すると、ドライバーは100%攻めることが難しくなる。それは当然でダウンフォースが100あると思ってコーナーに飛び込んだら95しかなければマシンはスピンするので、ドライバーはある程度の余裕を持って、ドライビングせざるを得ない。
これでは安定した成績を残すのは難しい。これがここ数年マクラーレンが経験してきたことで、マシンから最高の性能を引き出すために、極端に足を固めたセットアップが必要になり、さらにドライビングを難しくしていた。
これはアロンソとバトンという優秀なドライバーを擁するマクラーレンにとっては重要である。マシンが凡庸でもそこそこの速さが安定して出せれば、あとは2人の優秀なドライバーがある程度の結果を残してくれる。
このマクラーレンの動きは昨年レッドブルから加入したプロドロモウによって加速された。彼はレッドブルでの経験からマックスのダウンフォース値ではなく、安定したダウンフォースの重要性を理解していた。
この安定したダウンフォースを求める哲学の変更と共に、マクラーレンはパッケージの変更も追求した。
「今年のマシンは過去2年間のマシンは全く違うよ」とバトンが述べた。
「メカニックも全てがフィットしていると言っている」
マクラーレンは最初のヘレステストにアップデートパーツを持ち込む予定である。そして当然開幕戦のオーストラリアには更に多くのパーツが持ち込まれることは間違いない。
今年のマクラーレンはこれまでとは、少し違うようである。
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