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ロズベルグ 復活の勝利 2015 Rd.5 スペインGP観戦記

f1spain2015_hz_06521-s ニコ・ロズベルグがついに復活した。 昨年のイタリアGP以降の11レースでハミルトンは9勝、ロズベルグはたったの1勝。昨年の終盤から今年の序盤にかけてロズベルグは全く勝てない状況だった。 これはF1ドライバーにとっては精神的につらい。一度、精神的に後手に回ると何もかもがうまくいかなくなる。2013年までのレッドブルがその典型例で、ウェバーは悪いドライバーではないのだが、勝てなくなってしまう。 その為、ロズベルグはこのレースでどうしても勝たなければならなかった。だからポールポジションからのスタートは大きなプレッシャーがかかった。スペインGPが開催されるカタルーニャ・サーキットは中高速コーナーが多く、オーバーテイクは至難の業である。だからスタートで前に出れば大きなアドバンテージを得られる。 そしてロズベルグは完璧にその難しいタスクをこなして見せた。このトラックは奇数グリッドの方がグリップがあり、有利であったことは間違いないが、大きなプレッシャーを背負った中でのスタートは見事であった。 その後はハミルトンがベッテルに抑え込まれたこともあり、余裕を持ったレース展開でフィニッシュ。昨年の前半の強いニコが戻ってきた。 このレースはポールからスタートし楽勝に見えたかもしれないが、このような横綱相撲で勝てたことは大きい。ハミルトンのトラブルで勝てても自信は回復できないが、このような勝ち方はニコを精神的に楽にするだろう。 つぎはニコが2連勝中の地元モナコGP。ここで連勝することができれば、今年のチャンピオン争いもおもしろくなる。なぜならハミルトンとニコのポイント差はわずかに20ポイントであり、1回のレースでひっくり返すことができるからである。