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ボッタス以外の選択肢もある ライコネンの後任争い

  フェラーリは、キミ・ライコネンの来年のシートに関しては、彼のパフォーマンス次第だというスタンスを崩していない。 ライコネンの2016年のシートに関してはフェラーリがオプションを持っている。つまりフェラーリがライコネンを来年のせるかどうかを決められる立場にあると言うことだ。 ただフェラーリがオプションを行使しない場合でも、ライコネンがフェラーリに乗らないと決まったわけではない。チーム側がオプションを使わずに、再度ドライバーと契約内容を見直して再契約するケースもなくはない。 フェラーリ側のオプション行使の期限は7月末と言われていて、それまではライコネンは他のチームへ売り込むことも難しい状況である。ただ実質的にライコネンが移籍できるトップチームは限られており、フェラーリに乗れない場合はそのまま引退になる可能性が高い。 フェラーリがライコネンとの契約を更新しなかった場合、後任の最有力と見なされているのがウィリアムズのボッタスである。 フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、開幕前後からフェラーリへアプローチしたドライバーはボッタスだけではないと述べている。 「開幕してから連絡をとってきたドライバーのリストを作れば、ボッタスは多くのドライバーの中の一人でしかないということがわかるだろう。フェラーリは誰もがドライブすることを夢見るが、シートはたったの二つしかない。そしてその両方とも埋まっている」 またアリバベーネは、リカルドから連絡があったのかとの問いに対してこう答えた。 「いや、ない。多分、私の電話番号を知らないんだよ」 こう移籍に関する質問をはぐらかしているアリバベーネではあるが、ライコネンの後任争いの第1候補はやはりボッタスだろう。優勝した実績はないものの、彼の実力は証明されている。勝てるマシンに乗れば、彼は勝てる能力があるのは間違いない。 他の候補としては若手の有望株であるリカルドであるが、こちらはレッドブルががっちりと掴んで離さないと見られるので、移籍の可能性は低い。 だがボッタスの契約内容には、トップチームからオファーがあった場合の契約解除条項があるとみていいだろう。その場合、フェラーリが解約金を支払えば、彼の移籍には問題がないと考えられる。問題はその金額がいくらかなのかである。 ボッタスがダメな場合の第二の選択肢はヒュルケンベルグになる。彼は数年前にもフェラーリと契約寸前まで言ったのだが、ダメになった経験を持っている。 だがF1ドライバーの契約は、複雑怪奇であり、時には偶然に左右されることもある。フェラーリというF1を代表するチームのシート争いは、これからヒートアップすることは間違いない。