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失望のマクラーレン・ホンダ

_R6T4300-s パワーユニットをアップデートしてきたホンダ。ここから巻き返しがはじまると思われた方も多いだろう。だが結果はよくなかった。いや、正直に言おう。期待はずれだったと。 パワーユニットの部品交換で、2人のドライバーは合計55グリッドダウンのペナルティを受けた。実際は土曜日にもPUを変更したので、この2倍のペナルティを受けた。だが最近のルール変更により、グリッドダウンのペナルティをレースには持ちこなすことはなかった。それでも最後尾スタートなので、結果は問題ではなかった。 問題はどれほどのタイムで走れるかである。特にパワーがタイムに影響するセクター1と3のタイムは注目された。だがここでもタイムは悪かった。 バトンは一時的に、パワーのデリバリーのコントロールが適切ではなく、最悪の時にはケメルストレートをエンジンだけで走行した時もあった。その後、問題は解決されたがラップタイム的には上位陣との差は大きかった。 ホンダはマクラーレンの車体側にも問題が多いと述べていて、それはその通りだと思う。だがパワー勝負のセクター1と3で上位陣と約1秒の差があっては、入賞するのは難しい。 マクラーレンの車体は、高速型のサーキットには適していない。そう考えると次のモンツァも厳しいレースが続く。高速サーキットで少なくともトップスピードの上位に入ってくるようにならないと、ホンダとしても満足はいかないだろう。そしてその次のシンガポールGPでは、入賞を目指して戦える。 ホンダの今年の目標は、フェラーリ並みのパワーを得ることである。メルセデスに追いつくのは来年の目標である。だがフェラーリはセクター1と3でメルセデスと同等のタイムを出せていた。フェラーリに追いつくのも簡単ではないのが、現状である。 ホンダのコメントを聞いていると、彼らはまだMGU-Hからの回生に問題を抱えているようである。だが最近はシーズン当初のような、燃費燃費とドライバーに言わなくなったことを考えると確実に進化はしている。 問題はホンダが持っているそのポテンシャルをどう発揮するか。いつ発揮するかである。それが鈴鹿に間に合えば、日本人ファンは喜ぶのであるが、残念ながら今年のマクラーレンのマシンは鈴鹿にはあわないかもしれない。