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ベッテルがタイヤ交換しなかった理由

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  ベッテルはベルギーGPで1ストップ作戦を実行した。残り2周で彼の右リアタイヤはバーストして、彼らの作戦は失敗に終わった。ではなぜ彼らは1ストップ作戦を採用したのだろうか。 フェラーリはレース前には2ストップ作戦でのぞもうとしていた。彼らは第2スティントをミディアムで長くつなぎ、第3スティントを短くして、遅い方のタイヤであるミディアム勢を追い抜く作戦を考えていた。これは彼らが8位からスタートするので、他とは作戦を変えたかったからである。 8位グリッドからスタートしたベッテルは、2周目には5番手に上昇する願ってもない展開を手にした。そしてグロージャンが9周目にピットイン。フェラーリはそれより長くベッテルを走らせて14周目までタイヤ交換を引っ張った。 だがこの後、予想外の展開をフェラーリが襲う。21周目にバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。ここで早めにタイヤ交換していたドライバーは続々とタイヤ交換に向かう。通常タイヤ交換でライバルに対して18秒失うのだが、VSC中は速度制限が導入されラップタイムが遅くなるので、タイムロスは10秒ほどになる。 こうなるとベッテルは最後にタイヤ交換した場合、グロージャンだけではなく他にも数台のマシンをパスしなければいけなくなる。いくら追い抜きが可能なサーキットとはいえ、10周足らずで数台抜くのはベッテルでも至難の業である。 ここでベッテルには二つの選択肢があった。一つは同じタイミングでミディアムに履き替えること。この場合、グロージャンの後ろで戻るので、恐らくベッテルはグロージャンの後ろでフィニッシュしていた可能性が高い。もう一つはタイヤ交換しないことで、この場合もグロージャンを抜けなくて4位で終わる可能性が高かった。 それでもフェラーリはタイヤ交換しないことを選択した。同じ4位でもタイヤ交換しない方がグロージャンとの作戦が異なるので表彰台の可能性は高いと判断した。 そしてフェラーリではベッテルの2度目のタイヤ交換をいつにするのかの議論が始まった。彼らは残り10周でのタイヤ交換を選択しようとした。この場合、3位のポジションはグロージャンに譲ることになる。だがもしレース終盤にSCかVSCが入れば、ベッテルは新しいソフトを履いた状況でグロージャンの後ろにつけるという期待もあった。この時、グロージャンも対抗してタイヤ交換するかもしれないが、それでも差が縮まればベッテルが何とかできるかもしれない。 どちらにせよ4位は確保できて12ポイントは獲得できるわけだから、8位スタートとのベッテルとしては悪くはない。だが表彰台を獲得するためには、さらなるギャンブルが必要であった。 だが走行を続けるとベッテルのタイムがほとんど落ちなかった。実はピレリは40周走れると言っていたミディアムタイヤだが、裏付けるデータはなかった。金曜日はイエローフラッグや赤旗が続出したので、正確なロングランをしたチームはなかった。 そしてフェラーリは最後までタイヤ交換をしないことを選択し、残り2周でタイヤがバーストした。もしタイヤが最後までもっていたら、結果がどうなっていたかはわからない。だがどちらにせよタイヤトラブルがなければ、4位は確保できていたわけで、ベッテルとフェラーリとしては悪くはなかった。 今回のフェラーリは結果的に最悪の結果に終わったが、タイヤトラブルまでは予期することができないので、決して悪い判断ではなかったと思う。