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240馬力の不足に苦しむホンダ

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_L4R5589-s イタリアGPでは予想通りに苦戦したマクラーレン・ホンダ。アロンソに言わせるとストレートだけで3秒も失っている。それではこの高速サーキットで戦えるはずもない。 レースではルノーのPUを搭載したレッドブルやトロロッソにさえも、抵抗することもできずに簡単に抜かれている。これは明らかにパワー不足である。 ホンダはルノーよりもパワーがあると話しているが、話と実態があまりにも離れすぎていておかしい。どうしてこういう状況になっているのであろうか。 そこには昨年から導入された新しいパワーユニット(以下PUと略)の構成にヒントがある。今のPUはターボ付きのエンジンとMGU-K、MGU-Hの三つの動力源を持っている。MGU-Kは昔のKERSでハイブリッドカーと同じでブレーキング時に発電してバッテリーに蓄電し、必要な時にモーターを動かして使う。これに関しては技術的にも完成されており、競争力に大きな差が出にくい。 ではMGU-Hはどうであろうか。MGU-Hはターボの軸に接続されており、ターボの羽根が回転することにより発電する仕組みになっている。 ホンダによると、彼らの三種類のパワーユニットが全て動作している状態だと、ルノーよりパワーがあると述べている。ではどうしてストレートで抜かれるのかというと、ホンダのERS(MGU-HとMGU-K)の発電量が少ないので、全開区間の多いスパやモンツァのようなサーキットでは、コースやストレートの後半部分で電気を使い果たして、モーターのパワーアシストがなくなる。 これでバックストレートで簡単に抜かれた理由がよくわかる。特にモンツァのようなブレーキングエリアの少ないコースだとMGU-Kでの発電量にも限りがある。そうなると頼りになるのがMGU-Hなのだが、この部分がホンダの最大の弱点である。 昔のエンジンなら100馬力少ないのであれば、コース上の全ての地点で100馬力少なかった。だが今のPUはコースの前半は馬力があるが、電気が不足するコース後半だけパワー不足と言うこともありえる。 だからハンガリーやモナコでは全開区間が少ないので、ERSのパワーも使う機会が少なく、パワー不足にならないので、マクラーレン・ホンダはある程度の競争力を持てるのである。 ホンダはこのERSからのパワーアシストの不足により160馬力を失っていると考えられている。そしてホンダはメルセデスに比べてエンジンだけで80馬力少ないと見られているので、合計で240馬力ものパワー不足に陥っているのである。 これではどんなに優れたドライバーでも勝ち目がない。 最近、ホンダとマクラーレンの間で成績低迷の責任を巡り、議論があるようだが、これはホンダが悪いとか、マクラーレンが悪いという簡単な話ではない。 ホンダはマシンのパッケージを最適化するために、ターボやERSのユニットを小型化して、狭い空間に押し込めている。これはPUだけに関して言うと最悪の状況である。 だが逆に言うとマシン側にはとても有利である。そう考えると今のマクラーレンのマシンはいいけど、PUはダメというのはとても理にかなっている。 クルマというのはF1だけではなく、どんなにいいエンジンを積んだって、大きくて重ければ、クルマとしてみた場合、いいパフォーマンスを出すことができない。逆にエンジンが小さくて軽ければ、多少パワーがなくても、トータルのパッケージがよくなり、速く走れる。 これはメルセデスPU搭載のチームを見てみれば、よくわかる。同じPUを搭載していても最速なのはメルセデスである。これは彼らがPUだけの力で勝っている訳ではないことを表している。メルセデスのマシンは、トータルのパッケージとして優れているので最速なのだ。 これは2013年まで最速だったレッドブルもそうである。当時のルノーエンジンも決して最強のエンジンではなかった。それでも勝つのは常にレッドブルだった。それはルノーがレッドブルのマシンに合わせたエンジンを供給していたからである。 そう考えると現在、ホンダが苦戦しているのはマクラーレン側の要請からあまりにも攻めたパッケージングにトライしているからである。 ただ現在のPUはホンダの想定を超えて、複雑で難しかったのである。    
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