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幸運なロズベルグの3連勝

b_dsc1287-chaGP2016 私はロズベルグが幸運だけで開幕3連勝をしたといいたいわけではない。ただ幸運なロズベルグが開幕3連勝したことだけは間違いがない。 このレースもそうだった。レース前から彼には幸運の女神が微笑んだ。最大のライバルであるハミルトンが木曜日の時点でギアボックス交換で5グリッド後退のペナルティを受けることが決まっていた。さらにそのハミルトンはERSのトラブルで予選Q1を走ることなく、最後尾スタートが決まった。 そしてハミルトンが今シーズン最高のスタートを決めたが、それ故にライコネンのクラッシュの巻き添えでフロントウィングを破損した。 これまた最大のライバルであるフェラーリがスタート直後のコーナーで接触し、大きく後退したこともロズベルグに有利に働いた。 ロズベルグのスタートは最高ではなかったが、素晴らしかった。ただリカルドが最高だっただけである。リカルドのペースは素晴らしく、ロズベルグは抜くことができないと思っていたら、リカルドのタイヤがパンクして、ロズベルグは何もせずにトップへ返り咲いた。 彼にとって唯一不運だったのは、レース序盤にセーフティカーが出て、スーパーソフトでスタートしたドライバーが少ないロスタイムでコースへ復帰したことくらいである。彼はQ2でソフトを使用して、そのタイヤでスタートしていたからである。 ここまでの幸運に恵まれていれば、最強のメルセデスに乗っている彼が勝つことに何の不思議もない。 だが私たちは知っている。長いシーズンでは幸運なときも不運なときもあることを。そして不運に恵まれたときにこそ、そのドライバーの真の実力があらわれることも知っている。 シーズンはまだたったの3レースを消化しただけである。残りは18レースもある。どこでこの運が反転するのか誰にもわからない。 だが確かなことが一つだけある。それはこのままシーズンが終わらないことである。
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