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フェラーリが苦戦している理由

1600012_mon-monacoGP2016 昨年3勝したフェラーリが今年まだ本調子ではない。もちろんシーズンは長く、残されているレースも多い。開幕戦では赤旗がなければベッテルは勝てていた可能性が高い。だが何かがおかしいと感じるのは私だけだろうか。 その理由のひとつはピレリが空気圧制限値を上げたことに影響されていると疑っている。 確かに昨年もフェラーリは予選では苦戦していた。レースペース自体はメルセデスに負けないのだが、予選でのスピードは足りなかった。 今年は予選でレッドブルにも負けるようになり、スペインGPではレッドブルの次で我慢するしかなかった。 ではどうしてタイヤの空気圧が上がると、フェラーリは後退し、レッドブルは前進するのだろうか? その理由のひとつはダウンフォース量にあると考えている。タイヤの空気圧が上がると、路面とタイヤの接地面積が少なくなり、グリップが落ちる。 そのため各チームは知恵を絞って、ダウンフォースを獲得しようと開発をしている。 現在、F1チームの中でダウンフォース量が多いと見られているのが、メルセデスとレッドブルである。フェラーリはこの2チームに遅れをとっている。 ダウンフォース量が多いと、タイヤを上から押さえつけることができ、タイヤの接地面積を増やすことができる。 当然これはタイヤの空気圧が上がらなくても、同じ現象が現れるのだが、空気圧が上がったことにより、より顕著に現れてきていると考えられる。 昨年のフェラーリはタイヤの温めに苦労し、予選アタックや、ミディアムタイヤの使い方に苦労した。 今年のフェラーリはタイヤの空気圧が上がったことにより、その影響をより顕著にうけていると思われる。 実際、今年のフェラーリはタイヤのマネージメントに苦労している。P3より予選の方が遅いこともあったし、Q2よりQ3の方が遅かったこともある。 そして予選のスピード=予選順位は今のF1ではとても重要である。もしフェラーリがスペインGPの予選でレッドブルよりも前にいたら、勝ったのはレッドブルではなく、フェラーリだっただろう。 そう考えるとフェラーリはこの問題を解決しないと今年は苦労するだろう。
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