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メルセデス 最強伝説の秘密

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M29903-canadaGP2016 実は今年のメルセデスは昨年ほど強くない。いやいや(カナダGP終了時点で)7戦して6勝をしているから十分に強いでしょという声が聞こえてきそうだが、実は7戦3勝であってもおかしくはなかった。開幕戦とカナダではベッテル、モナコはリカルドが勝っていた可能性が高く、メルセデスが勝利したのは作戦選択が的確であるのと、ライバルが自滅したからである。 カナダGPではそれが明確に出ていた。私はハミルトンは最初からワンストップ作戦だったと思っていたのだが、レース後にハミルトンはメルセデスも当初はツーストップ作戦の予定だったと述べている。 つまりメルセデスはフェラーリの作戦や自分達のタイヤの状態を見て、ワンストップに変更して勝利したのである。これはまったく見事としかいうようがない。 金曜日と日曜日のコンディションが大きく変わったことを受けて、メルセデスはツーストップを念頭に入れてスタートした。 カナダは路面が市街地コースのように滑らかで、タイヤには厳しくない。だがモナコよりは高速だし、立ち上がりの加速が鍵を握るので、リヤタイヤには厳しい。 しかも今回、ピレリはもっとも柔らかいタイヤ3種類を持ち込んだから、ワンストップかツーストップは微妙な判断になった。 メルセデスはレース前半、ウルトラソフトのタイヤのタレ具合を見ながらの走行である。 フェラーリが11周目VSCになった時、ベッテルに最初のタイヤ交換した時も、ツーストップで行くにしてもまだ周回数が早すぎると考えたメルセデスはステイアウトした。VSCの原因になったバトンはコース外に止めたこともあり、すぐに解除されると考えていて、そして実際にそうなった。 フェラーリはVSCでペースが落ちている時にタイヤ交換して、ロスタイムを削減したいと考えていたが、ベッテルがタイヤ交換でピットに入っている最中に解除になったので、想定していたよりも削減できたタイムは少なかった。 続けてタイヤ交換したライコネンに関しては、タイムはほとんど削減できなかった。フェラーリはライコネンをコース上にとどめようとしたが、間に合わずライコネンはピットに入ってきたのだ。 その後もメルセデスはハミルトンのタイヤの状態を注視して、24周で最初のタイヤ交換をした。 この時点でもメルセデスはハミルトンが最後まで走りきれるかどうかは確信がなかった。だがハミルトンよりも7周前にソフトに交換していたアロンソや同じタイミングでタイヤ交換したリカルドのタイムも見つつ、タイヤの状態を確認していた。 そしてロズベルグが想定外のパンクでタイヤ交換した時にタイヤの状態を確認。この時点でタイヤの状態が良かったので、ハミルトンに最後まで行かせる決断をした。 このようにメルセデスはレース中にいつでも2回目のタイヤ交換できるように準備していた。 最初から決められた作戦を実行したフェラーリとは大きな違いである。しかも今回、ベストなレースタイヤはソフトタイヤであった。にも関わらずツーストップのフェラーリはレース前に新品のソフトタイヤを1セットしか持っていなかった。 もしベッテルが新品のソフトを2セット持っていたら、もっと柔軟性のある作戦をとれ、もっとメルセデスを追い詰められていた。 もちろんハミルトンのタイヤが最後まで持たなかった可能性もあったが、その場合でも3位のボッタスとの差は十分あり、もう一度追加のタイヤ交換してもハミルトンに失うものは何もなかった。 彼はレース序盤、二位でベッテルを抜けなかったのであるから。 こうして考えるとカナダGPでベッテルがツーストップで負け、ハミルトンがワンストップで勝ったのは単なる偶然でも運でもなく、必然の結果である事がよくわかる。 このようにメルセデスが最強なのは、パワーユニットがいいだけでもないし、マシンがいいだけでもない、ドライバーいいだけでもない。そのすべてで速く強いから、2年連続チャンピオンになれたわけだし、おそらく3年連続チャンピオンになるのである。