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喜怒哀楽のフェラーリとマックスの進む道

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スパ・マイスターのキミ・ライコネンが予選3位。しかも路面温度は40度近い。ピレリの内圧指定はこれまで以上に高く、フリー走行からブリスターが出るマシンが続出。タイヤに優しいフェラーリには理想的な条件が揃った。
しかもフェラーリの二台はスタートも成功し、キミは2位、ベッテルは3位でターン1へ進入。フェラーリ対ロズベルグの戦いが始まると思われたところに大きな障害があらわれた。レッドブルのフェルスタッペンである。
彼は2位グリッドからスタートしたが蹴りだしに失敗。フェラーリに抜かれたが、それを取り返すために1コーナーでライコネンのインに飛び込む。確かにフェルスタッペンが主張する様にイン側にスペースはあった。だがあのスペース飛び込むと立ち上がりて曲がりきれずにアウト側にはらんで、そこにフェラーリ二台のスペースはない。
今回結果的にライコネンがフェルスタッペンに接触し、そのライコネンがベッテルに接触。3台のレースは台無しになった。
フェルスタッペンはレース中にもコーナー出口でライコネンにスペースを残さないドライビングを見せた。さらに直線できわどい進路変更をしてライコネンのアタックを拒み続けた。
確かに彼のドライビングはペナルティーをもらうほどではない。スタート直後のターン1でもマシンをコントロールしていた。マルドナドやグロージャンとは違う。だがあの様な場合、外側を走るマシンにスペースを残すのがマナーである。
もしそれが許されるならオーバーテイクは事実上不可能になる。確かに若い時のセナやミハエル シューマッハもアグレッシブなドライビングをした。だからフェルスタッペンのドライビングが悪いとは言わない。ただ今のドライビングを続けている限り、彼が無事にフィニッシュできるのは、争うライバルたちが道を空けてくれる時に限られる。
そしてライバルがいつも道を空けてくれるとは限らない。そして接触すれば彼自身もポイントを失う。そう考えるとフェルスタッペンがチャンピオンへ一歩前進するには、いつでもアグレッシブに行くのではなくて、状況に応じたドライビングを心がけなくてはならない。
それができるドライバーだけがチャンピオンになれるのである。