ロズベルグ連勝でチャンピオン争いは振り出しに
絶対に勝てないと予想されたロズベルグがイタリアGPを制した。フリー走行二回目以降、ハミルトンはロズベルグを圧倒。予選ではハミルトンとロズベルグの差は0.5秒以上の差があった。
これはコーナーの数が極端に少ないモンツァでは絶望的なタイム差である。ここはドライバーの差よりもマシンの差がはっきりとわかるサーキットである。それはコーナーの数が少ないので、ドライビングでタイム差をつけるのが非常に難しいからである。
ちなみにモンツァのコーナー数はたったの11である。スパは19、シンガポールはモンツァの倍以上の23もコーナーがある。しかも11コーナーがあるモンツァも大半はシケインで、コーナー部分でライバルに差をつけるのがとても難しい。
そのモンツァでハミルトンに圧倒されていたロズベルグはレース前からハミルトンに負けている様なものだった。
だがハミルトンのスタートミスにより、レースはスタートから大きく動く。シーズン前半に見せていた様にハミルトンがスタートを完全に失敗。あっという間に5位に落ちてしまった。
これでハミルトンは一気に苦しくなった。ストレートの長いモンツァは抜くことは比較的できるサーキットではある。だが同じマシンに乗るチームメイトを抜くのはかなり難しい。基本的にコーナーで差をつけることが難しいからである。
となるとタイヤ戦略で差をつけたいところであるが、同じタイヤを履いてスタートしたメルセデスの場合、タイヤ交換の回数は1回限りで、第2スティントのタイヤも2人は同じミディアムであり、ハミルトンが打てる手はコース上で抜くしかなかった。
だがハミルトンが2位に上がった時にロズベルグはすでに14秒ほど先行しておりいくらハミルトンが速く走れるとはいえ、同じマシンに乗るチームメイトに追いつくのさえ難しかった。
ハミルトンがプッシュして差をつめるとロズベルグも対応してタイム上げて差をキープする状況が続き、ハミルトンはロズベルグに脅威を与えることはできなかった。さらにハミルトンは追い上げる中でタイヤを酷使し、先にたれてきて勝負は決まった。
これでチャンピオンを争う2人の差はたったの2ポイント差となった。第14戦を終わって振り出しに戻った。
ここから残り7戦の短期決戦の新しいシーズンが始まる。そこで勝利したドライバーがチャンピオンになるのである。
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