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もう一人の勝者 ベッテル

160058_sin_singaporegp2016 このレースにはもう一人勝者がいた。それは最後尾から5位になったベッテルである。彼は予選Q1でまさかのアンチロールバーが壊れるトラブル。トラブルに気がついたベッテルだったが、チームはアンチロールバーがなくてもQ1を突破するタイムを記録できると考えて、そのままベッテルに続けてアタックさせた。 だがマシンはコーナー部分で三輪状態になりまともに走ることができず、ピットインして修復を試みたがギリギリで間に合わずQ1で脱落。最下位スタートとなった。この順位によりベッテルはPUをギアボックスを交換してレースにのぞんだ。 ベッテル以外のドライバーがウルトラソフトかスーパーソフトでスタートする中、ベッテルはソフトタイヤをチョイス。このソフトタイヤでじっくりと走りながら、前を走るマシンが10周を過ぎてタイヤ交換を始めると順調に順位を上げる。そして24周目に新品のウルトラソフトに履き替えるといいスペースを確保して好タイムを連発し、前のマシンを抜き始める。 そして彼は3ストップのフェルスタッペンや事実上の1ストップだったペレスを抑えて5位フィニッシュをとげた。これはこの抜きにくいシンガポールGPでしかも、セーフティカーが最初に一回だけでたという条件の中では最高の走結果である。もしレース後半にセーフティカーが出ていればベッテルには勝利の可能性すらあったのだから。 今年作戦面でミスの多かったフェラーリにとって今日のレースは大成功といえる作戦となった。
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