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ロズベルグ レッドブルに助けられ王手

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ロズベルグにとってブラジルGPは鬼門となるはずだった。ご存知のようにブラジルGPの天候は不安定で予測がつかない。
選手権をリードするロズベルグにとって不確定要素が増えるほど不利な状況となる。というのもドライレースならば、よほど大きなミスをしない限りロズベルグの2位は安泰である。
そして残りの2レースを2位で終わればチャンピオンになれるロズベルグにとってドライ路面の方が好ましかった。
だが彼にとってブラジルGPは最悪の雨のレースとなった。彼は今年の雨のモナコとイギリスで勝てていない。
そんなこともあり、この日のロズベルグからは絶対に勝とうという意志を感じることができなかった。彼にとってはこのレースを走りきり、できるだけ多くのポイントを持って帰ることが最大の目的であった。
だがドライなら表彰台は問題ないロズベルグにとってもこの日のレースは何が起こるかわからない混沌としたコンディションの中で行われた。
雨が降り続く中で最終コーナー近辺は水溜りができており何台ものマシンが餌食になった。ロズベルグ本人ですら一度危険な状態になっている。ダウンフォースが多いメルセデスですらスピンしそうになるのだから、いかにコンディションが悪かったかよくわかる。
しかも雨は降ったり弱まったりを繰り返し、いつタイヤを交換するのかも不透明な状況だった。
だがクラッシュによる2度の赤旗中断が彼を救った。いいタイミングでレース前半と半ばで2回赤旗が出た。赤旗が出た場合、パーツやタイヤの交換が認められている。
そのためメルセデスはタイヤ交換のためのピットインをする必要がなく、ロスタイムをゼロにすることができた。
そしてもう一つの幸運がロズベルグに訪れた。それがレッドブルの作戦ミスである。