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僅差の勝利ベッテル オーストラリアGP観戦記

170013_aus_AUSGP2017 昨年のオーストラリアGP、チームの判断ミスで勝利を逃したベッテルが 1 年越しで失った勝利を取り戻した。この勝利は一勝以上の価値がある。
というのも決勝レースを通じてベッテルはハミルトンと互角に競り合っていたからである。 予選でこそハミルトンに敗れたベッテルだったが、決勝ではスタートからチェッカーフラ ッグまでハミルトンと同じペースを継続できた。
このレースの勝因もじつはそこにある。
これまでだとハミルトンが前に出ると、そのままリードを広げられることが多かった。
だがこのレースでベッテルはスタートで抜くことはできなかったが 2 番手グリッドからそ のまま順位をキープ。
そして常に 1 秒前後の範囲につけていた。
そのため、このレースでのハミルトンは余裕がなかった。
タイヤが先にたれ始めたハミルトンが先にタイヤ交換に入る。
ここでベッテルはステイアウト。ただ新しいタイヤに履き替えたハミルトンのペースは当然ながらよく、
そのままであればベッテルが数週後にタイヤ交換すれば、トップに戻れるはずだった。
ところがハミルトンの前にフェルスタッペンが立ちはだかる。タイヤ交換をしていないフ ェルスタッペンはタイムが遅い。
このアルバート・パーク・サーキットは追い抜きが極めて難しい。
1 秒以上遅いフェルスタッペンをハミルトンは抜くことができない。
そうしてほんの数周の間にベッテルはハミルトンに対してタイヤ交換しても抜かれないギ ャップを築き上げた。
ハミルトンは不運で、ベッテルは幸運だったかもしれない。
だがベッテルがハミルトンと同じペースで走れていなければ、この僅差の逆転劇は起きな かった。
そう考えるとこのレースの勝利はフェラーリとメルセデスに想像以上に大きなインパクトを与える。