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ハミルトンの完勝とベッテルのリカバリー

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スタートで全ては決まった。もともとハミルトンはこのカナダGPを絶対的に得意としている。だからスタート直後のターン1でベッテルがフロントウィングを壊さなくても、ハミルトンの勝利は動かなかっただろう。だがベッテルがトラブルを抱え込まなければ、もう少し難しいレースになったはずだ。 ベッテルのスタートが悪いわけではなかった。その証拠にターン1までにハミルトンとの差が大きく開いているわけではない。ボッタスとフェルスタッペンのスタートが良すぎたのである。ただスタートラインからターン1までの距離が短いこのコースで2台に抜かれるというのも珍しいことである。 ベッテルにとって不運だったのは、2台に挟まれることになったことである。ベッテルはイン側からアタックしてくるボッタスを抑える為に、イン側にマシンを向けたのだが、それによってアウト側にスペースを空けることになり、フェルスタッペンにそのスペースを使われてしまった。 それでもイン側のボッタスがひいてくれればベッテルはイン側に動いてフェルスタッペンと接触することもなかったのだが、ボッタスがイン側に入って来たので、ベッテルはイン側にも動けず、アウトから抜きに来たフェルスタッペンを避けることができなかった。 だがイン側のボッタスもアウト側のフェルスタッペンもともにきれいにコーナーを抜けているのであるから、ベッテルは負けを認めるしかない。 これによってベッテルは作戦の修正を余儀なくされる。5周目まで我慢していたベッテルだがフロントウィングを交換する為にピットストップ。 カナダがGPは路面がスムースなので、タイヤには優しい路面である。高速のコーナーもなくタイヤへの負荷は低い。そして今年の持久力のあるピレリタイヤの特徴を考えると、ワンストップのレースになるのは間違いなかった。スーパーソフトタイヤでも50周はいける計算だった。そのためベッテルは多少の無理をしてもこのタイヤで最後まで走りきると思われていた。そうすることでフロントウィング交換のタイムロスを取り返そうとした。 ところがレース終盤に向けて状況が変わって来た。3位のリカルドを追いかけていた二台のフォースインディアがバトルしていて、ベッテルが追いついて来た。しかもベッテルの後ろは大きく離れていて、タイヤ交換しても順位を失わないフリーストップの状況であった。そこでフェラーリはベッテルのタイヤを交換。フォースインディアの二台を一周1秒から2秒速く追いかけた。そしてレース終盤に見事にベッテルは二台のフォースインディアを抜き去り4位に入賞してみせた。珍しく素晴らしいフェラーリの判断だった。 これはベッテルにとっては予想以上の成果だったろう。カナダGPを得意としているハミルトンにこのレースで勝つのは難しかったので、普通であればベッテルは2位だった。それがフロントウィングが壊れて順位を落としたにもかかわらず4位である。2位と4位のポイント差はわずかに5ポイント。 フロントウィングを壊したにもかかわらず5ポイント失っただけであれば、ベッテルにとって十分納得のいくレース結果であるといえよう。