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2017総集編4 ホンダとマクラーレンの未来


結局、3年間のマクラーレンホンダはあまり実りがないまま終わりを迎えてしまった。今年の低迷の原因がホンダがパワーユニットのコンセプトをガラリと変えてきたことにあるのは間違いない。彼らはシーズンが開幕するまで、新しいPUをキチンとレースできる状態にすることができなかった。
 
1年目と同じように、レースをしながらパワーユニットの開発を進めていく状況であり、走っては壊れ、壊れてはまた走るの繰り返しになってしまった。
 
それでも1年目と大きく違っていたことがある。それは開発の進捗状況である。1年目は開発できるパーツ数に制限があり、開発が進まなかったが、今年は開発パーツの制限がないので、細かくアップデートを続けた。それにより夏頃から目に見えて競争力が上がってきた。ただ新しいパーツを矢継ぎ早に投入したことで、信頼性に難はあった。だが追いかける立場のホンダが信頼性を気にしていたら、いつまでたっても追いつけない。
 
だからリスクを背負って新しいパーツを投入し続けたホンダには敬意を表したい。そういうホンダの姿勢を待っていた。だから今年は成績が悪くても私は許す。
 
成績の悪化によりマクラーレンと離れることになったのは、とても残念なことである。だがF1は弱肉強食の世界である。強いやつは生き残り、弱いやつは切り捨てられるのが常である。だからこれだけホンダを批判していたマクラーレンもホンダのPUが競争力が出てくれば臆面もなく契約するというのがF1の世界である。
 
だからこそホンダは強くならなければならないし、速くならなければならない。それこそがこの世界で生き残る唯一の方法なのである。それができないとただ金をむしり取られて、また途中で投げ出すことになる。
 
マクラーレンとの別離が決まってから、チームの成績が上向いてきたことはなんとも皮肉であるが、ホンダのパフォーマンスが上がっているのは間違いがなく、これは新しく取り入れたコンセプトが間違っていない証拠である。
 
来年のパワーユニットは今年のコンセプトを継続すると言うことであるから、来年はとても楽しみである。来年ホンダと組むトロ・ロッソは予算規模は大きくないが、毎年いいマシンを作ってきている。テクニカル・ディレクターのジェームス・キーはとても優秀で、予算が少なくても、開発する領域を限定しながらも確実に開発を進めてくる。だから上向きのホンダとトロ・ロッソが組む来年はとても楽しみである。
 
そしてその先にはレッドブル・ホンダ誕生があるのは間違いがない。アストンマーチンと契約したレッドブルだがアストンマーチンはこれだけ複雑なPUを作成できる技術力も資金力もないだろう。だからレッドブル・アストンマーチンの実現よりレッドブル・ホンダの方が実現性が高い。
 
そんな初夢を見てみたいものである。ただ来年に関して言うとトロ・ロットには一抹の不安がある。それはドライバーのラインアップである。新人二人というのはいかにも心許ない。例え新人でもベッテルやハミルトン、アロンソなどは最初から速かった。だから経験や年齢の問題でないのは確かである。だが昨年終盤の二人のドライバーの走りを見る限り、彼らがこれらのスーパーチャンピオンに並ぶほどではないのも明らかである。
 
そういう意味でカルロス・サインツJrがルノーに移籍したことは誠に残念である。いいドライバーはマシンの性能を100%引き出してくれる。そうであればマシンの開発の方向性も見えてくる。多少マシンのバランスが悪いマシンでも乗りこなせるドライバーと、文句を言うドライバーではその後の展開はまったく異なってくることは想像に難くない。
 
またトロ・ロッソの資金的、人員的に足りない部分をホンダが補えればホンダにとっても意義のある契約になるのではないだろうか。契約が決まるのが遅かったので、今ファクトリーでは突貫工事で開発が進められていると思うが、開幕戦が楽しみである。特にパワーユニットを交換したマクラーレンとの対決はチャンピオン争いを別にして、今年のハイライトになるかもしれない。