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ベッテルの会心の勝利 イギリスGP観戦記


最大のライバルの地元で会心の勝利を決めたベッテル。ポールポジションからスタートして優勝間違いないと思われていたハミルトンはどうして勝てなかったのだろうか。
 
1番の敗因はライコネンとの接触にあることは間違いない。ただそもそも予選3位のライコネンと接触したのはハミルトンのスタートでの失敗にある。予測よりも路面のグリップがなく、ホイールスピンが多く蹴り出しが遅かった。そのため予選2位のベッテルに抜かれ、予選4位のボッタスにも抜かれてしまった。
 
そのためライコネンが後ろから追いかけてきて接触してしまった。この接触自体はライコネンがフロントタイヤをロックさせているので彼に非はあるが、それでもこの日のハミルトンの闘志を消し去ることはできなかった。
 
この接触でほぼ最後尾まで後退したハミルトンだが、そこからの走りはすごかった。もちろんマシンからいいことは間違いないのだが、それ以上の走りでセーフティカーが出る前に5位まで順位を戻した。とわいえ前を走るリカルドとの差は10秒以上あり、トップのベッテルとは当然それ以上の差であり、普通ならはハミルトンにチャンスはなかった。
 
レース前は20周後にソフトからミディアムに交換するワンストップが1番早いと予測されていた。実際、ベッテルは20周目、ボッタスはその翌周にミディアムに交換した。だがソフトでは順調にリードしていたベッテルがミディアムでは苦労していた。差を詰めてくるボッタス。その時レースは動いた。
 
32周目にエリクソンのクラッシュにより、セーフティカーが登場した。この時、2度目のタイヤ交換をするかでフェラーリとメルセデスの判断が分かれた。
 
 
フェラーリはベッテルとライコネンの二台とも新品のソフトタイヤに交換した。メルセデスの二台はタイヤ交換しなかった。ベッテルはミディアムで苦しんでいたから当然だろう。これによりボッタスは1位、ハミルトンは3位に上がった。
 
シルバーストーンは抜きやすそうに見えて、そうでもない。中高速コーナーが多いので、前のマシンに接近するのが難しいからだ。
 
だからメルセデスはトラックポジション重視でステイアウトを選択した。彼らはこの時ミディアムをはいていて、彼らはソフトより硬いミディアムの方を好む傾向もあったし、ハミルトンは後方から追い上げたので最初のタイヤ交換が25周目とライバルより5周ほど遅かったこともあった。
 
ただしメルセデスにはタイヤ交換しにくい理由もあった。それは彼らはもう新品のソフトタイヤがなかった。一方ベッテルとライコネンは新品のソフトタイヤに交換した。これはメルセデスにとってはかなり不利な条件である。中古のソフトを履いて新品ソフトのベッテルを追いかけるより、中古のミディアムでトップに立つことを選んだ。
 
だがこの日のシルバーストーンはイギリスとは思えない暑さとなった。路面温度は50(度を超えまるでバーレーンのようだった。これはかなりタイヤには厳しい条件である。
 
レース再開して間もなくグロージャンとサインツのクラッシュで再度セーフティカーが登場。これで残りが約10周で、残り周回数が少なくなるのでメルセデスに有利であった。
 
だがハミルトンより4周早くタイヤ交換したボッタスのタイヤはかなり厳しかった。何度も仕掛けるベッテルだがなかなかボッタスを抜けない。だがボッタスはブルックランドストレートに向かう立ち上がりてアンダーステアが厳しく、立ち上がりスピードが遅かった。その為、46周目についにベッテルに抜かれてしまう。その後はズルズルと後退し最後は4位でフィニッシュ。ボッタスの賭けは失敗に終わった。
 
一方ハミルトンにとっては悪くない選択だった。レースに勝つことはできなかったが、オープニングラップに接触されて最後尾まで落ちたにも関わらず、2位でフィニッシュできたのである。この日のハミルトンの走りは素晴らしかったのでタイヤ交換しても表彰台は乗れたかもしれないが、それでも好調だった新品ソフトを履くライコネンを抜くのは難しかっただろう。
 
フェラーリは素晴らしい仕事を成し遂げた。アップグレードしたフロアとディヒューザーも効果を発揮したし、作戦もバッチリ決まった。この調子を続けることができれば、チャンピオンへの道が見えてくるだろう。
 
 
▽歯車のかみ合わないトロ・ロッソ
最近、結果の出ていないトロロッソはこの日も入賞することはできなかったが、少しの光明は見えた。
 
ダウンフォース不足に悩む彼らは、イギリスGPでセットアップを全面的に見直した。そのため金曜日の時点ではいいタイムが出なかったが徐々に上向いてきた。
 
ただ最後の詰めをしたかったFP3でハートレーのサスペンションアームが壊れて大きなクラッシュ。もともと新しいサスペンションユニットを持ち込んでいたトロロッソだが、この時は旧式のサスペンションで走っていた。だがチームは安全を考え、ガスリーはFP3をほとんど走れなかった。
 
それでもガスリーの予選はQ2進出の14位。ソフトでスタートし20周目にミディアムに交換。ソフトでのペースはよかった。このタイヤ交換で9番手から14番手に後退した。そして32周目のセーフティカー登場て2回目のタイヤ交換を実施してソフトに履き替える。中古のソフトしか残っていなかったが、それでも相性のいいソフトに履き替えて反撃開始。50周目にはついにペレスを軽い接触の末にオーバーテイクして10位に浮上。久しぶりの入賞と思われたが、レース後にガスリーはこの接触で5秒ペナルティを受け13位が最終順位トロロッソなってしまった。
 
だがこの接触がペナルティになるのであれば、オーストリアGPのフェルスタッペンもペナルティになるべきで、今回もFIAの一貫性のない判断でガスリーの素晴らしい走りは実らなかった。
 
ハートレーは突貫作業でレースに間に合わせレコノサンスラップに飛び出したのだが、PUの不調によりピットで作業に入る。その後、ピットレーンスタートしたのだが、1周だけしてリタイアした。これはは急ぎで組み上げたのでPUの組み付けが正常になされていなかったのが原因である。
 
それにしても最近のトロロッソは歯車が噛み合わないことが多い。いつになったらこの悪循環を抜け出せるのだろうか。