F1 ニュース&コラム Passion

ボッタスの快勝とレッドブル表彰台 オーストラリアGP観戦記

2019 Australian Grand Prix, Sunday – LAT Images

 
いよいよ待ちに待ったF1が開幕しました、
今年はなんと最終戦が12月という前代未聞の長丁場ですが、お付き合いのほどよろしくお願いします。
 
▽ボッタス会心の開幕戦勝利
まずボッタスの完全勝利ですが、やはりスタートでポールのハミルトンを抜いたのが一番の原因ですね。このサーキットは一度前に出たら余程のことがない限り抜かれないので、これは決定的な瞬間でした。そしてハミルトンがベッテルのアンダーカット狙いを避けるために、早めの15周目にタイヤ交換したのも大きかったですね。これでハミルトンは対ボッタスよりも対ベッテル対策に忙しくなり、ボッタスはますます有利な状況になりました。
 
さらにボッタスはチームから無理するなと言う指令に対して、今年から導入されたファステストラップを記録したドライバーに与えられる1ポイントを狙いに行き、見事に満点の26ポイントをゲットしました。
 
これは今シーズンにかけるボッタスの強い思いを感じました。契約は一年だし、ピットにはオコンが控えてるしとプレッシャーかかりまくりのボッタスですからね。
 
でも昨年あんな形でハミルトンに勝利を譲らなければならなかったボッタスが勝つのを見れたのはとても嬉しかったですね。
 
▽ハミルトンまさかの失速
ボッタスに大差をつけられて2位のハミルトンですが、そんなに心配する必要もなさそうです。なぜならハミルトンが遅かったのはマシンのフロアに損傷があったからで、これでかなりのダウンフォースを失っていました。これでは勝負にならないですよね。早めのタイヤ交換でタイヤをいたわる必要もあり、勝負はスタートで決まってしまいました。
 
▽作戦
タイヤ交換は基本的にワンストップがメインでした。シミュレーション上はツーストップの方が速い結果でしたが、ここはご存知の通り追い抜きが難しいので、タイムよりよポジション重視になり、ワンストップがメインとなりました。
 
ただスタートタイヤはソフトが多かったのですが、交換したタイヤはミディアムとハードに別れました。
 
しかもハードがミディアムより速かったりと、なかなか読みにくい状況でした。夕方のレースなので動作温度領域の問題かと思いましたが、この2種類のタイヤは温度領域の大部分が重なっており、路面状況の変化によりこうなったのではないかと推測できます。
 
公道コースなので、パーマネントコースより路面の進化が大きいのがこのコースの特徴でもあります。
 
 
▽まさかの惨敗 フェラーリ
このレース最大の驚きはフェラーリの失速でした。バルセロナテスト中から好調が伝えられていただけになおさらです。
 
もともとテストでのタイムはあまり参考にはならないのですが、今はテストの機会が限られているので、アピールするだけに空タンクで一発のタイム狙いするチームも少ないですし、ロングランすると残燃料やタイヤのタレの分を差し引いてかなり正確な実力がわかるだけに。
 
ただフェラーリもまだそれほど心配しなくてもいいかなと思います。理由はこのアルバートパークは、公道を利用したかなり特殊なサーキットなので、ここだけでマシンの実力を測るのは難しいんですね。路面はスムースですし、高速コーナーも少ない。しかもパンピーです。
 
今回フェラーリは低中速のコーナーでメルセデスに負けていました。そしてアルバートパークはほとんどのコーナーが低中速になります。
 
フェラーリもセットアップを間違えたと言ってますし。次のバーレーンGPに期待です。
 
 
▽復帰後初表彰台 レッドブル・ホンダ
まずはレッドブル・ホンダが復帰後初の表彰台に登ったことは素直に嬉しですよね。ほんとマクラーレン ホンダ時代はいろいろありましたから。
 
マルコもホンダを絶賛しています。それに表彰台に登っても満足してなくて、チーム側にミスがあったことを指摘していました。予選Q1でガスリーが脱落したのは、路面の進化を読み間違えたエンジニアに問題があったのは明らかです。
 
結果残しても満足しないところがチャンピオンチームらしくていいですね。こういう組織を私は好きですね。
 
ただ私は皆さんが考えているほど楽観的でもないです。理由はハミルトンに肉薄したといっても、彼のマシンはフロアを痛めていたわけで、相当なダウンフォースを失っていたはずです。
 
そしてボッタスには大差をつけられている。もちろんハミルトンの後ろに引っかかってしまって、自分のペースで走れなかったのは事実なんですけど、楽観はできないかなと。
 
ガスリーもいくら抜けないコースとはいえ、レッドブルに乗ってるのですから、もう少し上位に来てもらわないと困ります。
 
もちろんレッドブルがモナコやハンガロリンク、シンガポールなど彼らが得意とするサーキットで実力で勝てる可能性は高いと思います。
 
問題はその他のサーキットで、どの程度メルセデスに迫れるかですね。そこはバーレーンGPの結果を楽しみに待ってみましょう。
 
では毎年恒例の開幕戦を見て今年の各チームを占ってみましょう。全チームは見られてないので、いくつかのチームをピックアップしました。
 
メルセデス
テストで苦戦しても開幕戦までにキッチリ仕上げてくるのはさすがチャンピオンチームの実力ですね。今年もメルセデス中心のチャンピオン争いになりそうです。
 
フェラーリ
マシンの実力はあるので、あとはチームの作戦次第でしょうか。ルクレールがどの程度ベッテルのポイントを喰うかによってチャンピオン争いは大きな影響を受けそうです。
 
レッドブル
マシン側の開発も進んでくれば、さらにメルセデスに迫れる。あとはガスリーがどの程度フェルスタッペンに迫れるかですね。
 
昨年まではリカルドがいて勝てるドライバーが2人いる状態だったので、フェルスタッペンがダメでもリカルドが勝つというパターンがあったのですが、ガスリーがそこまで来られるかはレッドブルの今シーズンを左右すると思います。
 
それかフェルスタッペンが落ち着いてチョンボしないようになるか。でもそれにはあと1、2年かかりそうかな。
 
ウィリアムズ
何をやってもうまくいかないですね。最後尾でその前との差が1秒以上あるというのはF1マシンの最低限のパフォーマンスがないということですから。怪しいスポンサーがついたこともあり、難しいシーズンを強いられそうです。