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ハミルトン 最後の反撃 スペインGP観戦記

 
▽押し返したハミルトン
今回もメルセデスが圧倒的に速く、そしてレースはスタートで決まりました。
 
フロントロウを独占したメルセデスの二台でしたが、蹴り出しは2位スタートのハミルトンがやや速く、ほぼ二台が横並びの状態でターン1に飛び込みます。
 
そこにアウトからベッテルが飛び込んできて、3台が横並びの状態で飛び込みます。アウトからはベッテルがボッタスの方に曲がってきて、インにはハミルトンがいる。しかもベッテルはタイヤをロックさせていました。
 
ここでボッタスが無理をすれば、接触は避けられなかったでしょう。ボッタスは無理をせず引きましたが、この日ハミルトンに勝つチャンスはこの一瞬しかありませんでした。もしベッテルがアウトにいなければ、ボッタスはもう少し競り合えたとは思うので、少し不運でしたね。
 
この後、ボッタスはバランスを崩したベッテルをぬきかえしましたが、ハミルトンに挑戦するチャンスは訪れませんでした。
 
ハミルトンにとってはこのレースは落とせないレースだったでしょう。というのも予選でチームメイトのボッタスに約0.6秒を引き離されての2位だったからです。
 
最近ハミルトンが予選でチームメイトにこんな大差をつけて敗れたことは記憶にありません。前のレースもボッタスに完敗したことを考えると、このレースで負ければ、ボッタスはハミルトンの脅威になっていたことでしょう。
 
これでメルセデスは開幕から5戦連続ワンツーフィニッシュ。なんか全勝しそうな雰囲気すら漂ってきましたね。
 
次のモナコでもメルセデスが圧倒的に強いことが予想されるので、難攻不落のモナコで、どちらが勝つかは今後のチャンピオン争いに得点以上に心理的な影響を与えそうです。
 
 
▽またも完敗 フェラーリ
このレースでもフェラーリはメルセデスに完敗でした。そしてメルセデスだけでなくレッドブルにも負ける有様です。
 
フェラーリはメルセデスに対して予選で0.8秒も遅かったのですが、そのうち0.5秒を低速コーナー主体のセクター3で失っています。これは明らかに低速コーナーでメルセデスに圧倒的に負けていることになります。セクター3だけでこんなに大差がついているようでは、完敗なのも理解できます。
 
しかもストレートではフェラーリの方が早いわけですから、前回も書きましたがフェラーリは低速コーナー遅すぎなわけです。
 
そして次のモナコは超低速サーキットな訳で、フェラーリの完敗はもう見えているわけです。フェラーリの人達は首の周りが涼しいかもしれないですね。
 
 
▽ホンダは惜しくも4台入賞ならず
予選ではフェラーリの一角を崩して、予選4位を獲得。レースではワンストップ作戦が主流なのに、表彰台をかけてツーストップを選択しました。
 
そして見事にフェラーリを出し抜いて3位になりました。もしSCが出てなければどうなっていたかはわかりませんが、それでも見事な作戦とそれをキッチリ実行できるフェルスタッペンの走りは見事でしたね。
 
3位のフェルスタッペンが2回目のタイヤ交換したので、メルセデスの2台は順位を失わないフリーストップが可能になったので、セーフティカーあけのバトルに備えてタイヤ交換しました。
 
この時点ではフェルスタッペンの前を走っていたルクレール でしたが、セーフティカーあけの勝負に備えて順位を失うことになっても、タイヤ交換をしました。
 
ただこのサーキットは追い抜きがかなり難しいので、その後コース上でフェルスタッペンを抜く返すことはできませんでした。
 
そう意味で追い抜きの難しいサーキットでツーストップを選択して成功させたレッドブルの作戦勝ちでしたね。
 
トロロッソもいいレースをしました。もしタイヤ交換時に無線の不調により違うドライバーのタイヤを準備するというミスさせなければ2台とも入賞することが可能でした。そうすればホンダのパワーユニット搭載車が4台全て入賞することができるペースを持っていたことになります。
 
次のモナコではパワーユニットの差があまりでないので、レッドブルがどこまでいけるのか興味深いです。