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F1はいつ開幕できるのか?

オーストラリアGP直前で開幕が延期になったF1ですが、いつになったら2020年度シーズンが開幕するのでしょうか。
 
一部の報道では2020年度のF1開幕が7月のオーストリアGPと言われていますが、これはかなり希望的観測が含まれていると考えていいと思います。その位に開始しないと夏休みを返上してレースをしたとしても年間10レース以上するのが難しいからでしょう。
 
F1の場合、無観客でレースをするのが難しいのも問題を複雑にしています。F1レースの主催者側の収入はほぼチケットの販売だけに依存しています。サーキット内の広告看板はF1側(リバティメディア)がすべての権利を持っています。またF1側はテレビ放映権もありますので、無観客でもレースをやりたいと思いますが、主催者としてそれだと収入がなくなるので、来年以降の開催が難しくなるでしょう。
 
できればF1側もテレビ放映権や広告収入を主催者側とシェアできるようにすればいいのでしょうが、そもそも開催レース数が減ることが予想されて収入減なのに加えて、チーム側への分配金の支払もあるのでなかなか簡単にはいかないと思います。
 
そしてレースが開催されないと収入が減少したチームの存続問題にもなります。
 
噂ではウィリアムズとハースが経営危機にあると伝えられていますが、他のチームも苦しいのは間違いありません。
そもそもF1チームは華やかではありますが、規模的には完全に中小企業です。
しかも毎年の収入のほとんどを使い果たしているわけです。
 
二大収入源である分配金とスポンサーマネーは外部からの資金供給ですから、レースができないと期待できないですからね。
エンドユーザーであるファンから直接収入を得ることのできないF1チームはやれることが限られています。
 
しかもプライベートチームが主体ですし、予算規模も他のカテゴリーのレースチームより規模が大きいのも、経営を苦しくしている理由のひとつです。
 
予算制限が合意されたこともあり、今後はF1チームでもリストラが開始されると思われます。
今まではあるチームでリストラされても、他チームへの移籍も可能でしたが、今回はほぼすべてのチームでリストラされると思うので、それも難しそうですね。
 

 
そういう状況の中、ドイツのサッカーリーグであるブンデスリーガは5月16日から再開すると公式アナウンスされました。
これはスポーツ界全体としてはいいニュースです。
どこかが再開していかないと、他のスポーツも再開の時期を決めにくいですからね。
 
ではブンデスリーガが再開したらF1もそれに続けるかというと、どうもそれは難しそうです。
ブンデスリーガは当然、無観客で再開するわけですが、各クラブの収入のうちチケット代の割合は13%ほどです。
彼らの収入の内、大きいのは放映権料とスポンサー料になります。
つまりリクラブ側はチケット収入がなくても1割強のの収入減ですむわけなので、無観客でも試合をやった方が良いわけです。
 
でもF1は先ほども述べたように、サーキット側の取り分はチケット代だけです。
つまり無観客で開催するのは、放映権や広告収入の取り分を調整しなければいけないので、かなり難しい交渉になります。
 
またF1は世界各国を飛び回ってレースをしますので、世界中にコロナウィルスの感染が蔓延している状況での開催はさらに困難になります。サッカーリーグはチャンピオンズリーグ等の国際的な大会を除けば、国内で完結しますから、国内の感染が収まれば再開できるわけです。
 
とにもかくにもF1チームの大半があるイギリスとイタリアで感染が終息しないことには、なにも始まりません。
今はどの国も海外からの人間の入国を制限していますからね。
 
欧米では経済活動の再開を模索する国も増えてきていますが、このウィルスの特性上、まずは国内の経済活動を再開し、その後に他国との交流を徐々に再開するという手はずを取るはずですから、F1開幕までの道はかなり先の話になりそうです。
 
※と書いていたらF1側が各チームに7月開幕を連絡したとの報道がありました。ただこれが実現できるかどうかはまだ不透明です。F1は他のスポーツと違い大量の資材を調達準備し輸送しなければならないので、今の時期に通知しないと間に合わないからと言う面が大きいと思います
 
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