F1 ニュース&コラム Passion

2006 Rd.9 カナダGP観戦記

アロンソが、カナダGPで4戦連続の勝利をおさめた。 ピットストップ以外では、一度もトップの座を失うこともなく、勝った。 これで4戦連続ポール・ポジションからスタートし、今シーズン6勝目。 しかし、今回も楽勝ではなかった。 だが、いつも幸運の女神は王者に微笑む。 まず、第一、第二スティントではキミ・ライコネンが猛烈なアタックを仕掛け、あわやという場面が何回かあった。 しかし、キミをトラブルが襲う。 クラッチが完全に切れないトラブルが発生し、最初のピットストップでタイムロス。 先にピットインしていたアロンソをかわす最大のチャンスを、ライコネンは逃してしまった。 ここで、アロンソの前に出られていれば後の展開もまた違ったモノになっただろう。 2回目のピットストップでもクラッチが切れずにエンスト。 アロンソとの差は決定的に開いてしまった。 それでもライコネンはミハエル・シューマッハーの前でレースに復帰。 残り2周まで2位をキープしていたが、ヘアピンでレコードラインを外してオーバーラン。 ミハエルに2位を譲りレースを終えた。 ミハエル・シューマッハーは大量の燃料を積み、予選5位。 序盤、ツゥルーリに押さえ込まれて、アロンソとライコネンに決定的なギャップを作られた。 二度目のセーフティーカーが導入された後、ミハエルは猛チャージを見せるが、ライコネンのミスで2位になるのが限界だった。 フェラーリは金曜日、土曜日とグリップ不足に悩まされ、燃料搭載量が多かったこともあり、予選でのスピード不足が最後までミハエル・シューマッハーのアシを引っ張った。 だが、予選5位で、スタートで出遅れ7位になり、ツゥルーリに押さえ込まれてタイムロスしたことを考えると、2位は悪い結果ではない。 フェラーリにとって頭が痛いのは1位がアロンソだったこと。 ミハエルは一度、壁にキスしている。 ここでリタイヤしてもおかしくなかった。 そうなるとチャンピオンシップは終わっていただろう。 今回、ブリヂストンとミシュランは両方とも超ソフトコンパウンドのタイヤを持ち込んだ。 その為、路面にタイヤかすが散乱し、悲惨な状況に。 レースが進むとラバーグリップが増してきたが、同時に路面表面も荒れてきて、レコードラインを少しでも外れるとまるでグリップしない。 そうするとゴミがタイヤについて、ゴミが取れる1周するまでに2秒から3秒タイムロスしてしまう。 ほとんどのドライバーがこの路面に悩まされた。 特にひどかったのがヘアピン付近。 一度、ミハエル・シューマッハーが飛び出したときはまるで氷の上を滑るようだった。 それにしてもアロンソとルノーの安定感の前には、他チームはつけいるすきがない。 この困難な路面状況にもかかわらず、ほとんどノーミスで走りきった。 二度目のSC導入でギャップが縮まった時も、スパートをかけ難なく逃げ切った。 カナダGPをアロンソは苦手にしていた。 過去、表彰台は一度もなく、昨年も唯一クラッシュしてリタイヤしたレースがここだ。 そのカナダですら、勝ってしまうのだからもう今年のアロンソにはお手上げ。 もうドライバーズのタイトルは決まり。 後の楽しみは毎レース、他のドライバーがアロンソを負かせるかどうかに注目だ。 ▽フィジケラ自滅、不運なニコ・ロズベルグ 会心の走りで、予選二位を得たフィジケラだったがスタートでまさかのミス。 フライング・スタートでピットスルーペナルティを受けてしまう。 最前列でスタートしたから気負ったのか、アロンソを抜かそうとがんばったのかはわからないが、明らかなフライングだった。 このペナルティ自体の被害は最小限にとどめたが、これで優勝の望みは絶たれた。 最近、フィジケラは来年以降の契約を発表したが、これではアロンソなき来シーズンは厳しい。 もう一人のドライバーに期待するしかないのか。 予選ではウィリアムズのニコ・ロズベルグが見せた。 予選6位を獲得し、期待を持たせたが、モントーヤの無理なアタックのとばっちりを受けてリタイア。 レース序盤のペースが良かっただけに残念だ。 ニコ・ロズベルグはコーナーのイン側にモントーヤが入れるスペースを設けていたにもかかわらず、モントーヤはマシンをコントロールすることができずに、ニコ・ロズベルグに激突。 このアクシデントでデフレクターを失ったモントーヤはダウンフォースを失う結果になる。 その影響もあり、壁にぶつかりリタイア。 そもそも、あのコーナーを二台で抜けるなど、とても無理な話であきらかにモントーヤに非がある。 それにしてもモントーヤは最近、元気がない。 ミスは多いし、遅い。 かつては暴れん坊と呼ばれた男が、おとなしい。 来シーズンの動向が注目されるが、このままでは誰も契約を結ぼうとは思わないだろう。 ツゥルーリは予選4位からスタートし、今季初入賞を果たした。 決して速いペースではなかったが、上位陣がつぶれたこともあり6位でフィニッシュ。 最後はエンジンのミスファイアにも悩まされたが、何とか最後まで走りきった。 一方、ホンダは今回もスピード不足が解消されなかった。 バトンもバリチェロもタイヤのグリップ不足に悩み、タイムが出ない。 バリチェロは12周目にエンジントラブルでリタイア。 バトンも8位を走行していたが、レコードラインを外してタイヤかすをひろい、ヘアピンでオーバーラン。 最後尾スタートのクルサードにかわされて、9位。 ホンダにとっては出口が出ないトンネルが続く。 開幕以降、開発の進み方が、他チームと比較できないほど遅い。 まるで止まっているようだ。 タイヤが暖まりにくく、ダウンフォースが足りず、ペースが上がらない問題が全然解決されていない。 もう今年はあきらめて、来年用のマシンに専念した方がいいのかもしれない。 ジェフ・ウィリスが辞任するという話しも聞くが、スケープゴートの首を切って済む問題ではないだろう。 バトンをかわした、クルサードはエンジン交換による最後尾スタートだったが、なんと驚異の追い上げで8位フィニッシュ。 レッドブルはシーズン序盤は良くなかったが、徐々に復調してきた。 ▽琢磨快挙直前でリタイア 佐藤琢磨が快挙を目前にして、リタイアした。 快挙と言っても入賞と言う話しではない。 レース終盤、ミッドランドのモンテイロの前を走って、プッシュしていたのだが、最終ラップでわずかにコースを外れた際にタイヤかすでグリップを失い、クラッシュ。 惜しいレースを失った。 スタートでミッドランド二台をかわした佐藤琢磨だったが、最後尾スタートのクルサードにフロントウィングを壊され、大きくタイムロス。 その後は、限界までプッシュし、モンテイロの前に出たが最後に残念な結果となった。 もし二度目のSCがなければ逃げ切れたかもしれなかったのだが。 最近、新車のSA06開発のためにほとんど進化がないSA05だが、佐藤琢磨の頑張りには本当に頭が下がる。 今回は、路面上のタイヤかすが大量に散乱し、どのドライバーも難しいレースとなった。 SA05のドライブはとても難しいので、今回の結果は仕方ないだろう。 それにしても、惜しいレースとなった。 惜しいと言えば、地元のジャック・ビルニューブも惜しかった。 こちらもレコードラインを外して、そのまま壁へ一直線。 チームメイトのニック・ハイドフェルドと共にいい走りを見せていただけに残念な結果。 最近、ジャックは復活の走りを見せている。 来年のシート争いは厳しそうだが、これならば他のチームから声がかかるかもしれない。 次は因縁のUSGP。 昨年何が起きたかは思い出したくもないが、今年は無事にレースが開催されることを望む。

One thought on “2006 Rd.9 カナダGP観戦記

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください