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大差をつけられたレッドブル・ホンダ シュタイヤーマルクGP観戦記1

前代未聞の同じサーキットでの二連戦。
昔日本で鈴鹿と富士しかサーキットがなかった時代に日本ではあったけど、F1では私も聞いたことも見たことない。
 
とにかく雨の予選で、ハミルトンは速かった。大雨の予選で2位のフェルスタッペンに1.2秒差をつけてポールポジション。
雨になればドライバーの能力の差が如実に表れる。一人だけ物理法則を超越したような走りだった。
しかしハミルトンだけ物理法則を無視できるわけではないので、巧みな荷重移動と超絶反射神経と予測のレベルがダントツで高かったと言うことなのだろう。
 
フェルスタッペンは最後のアタックの最終コーナーで前を走るベッテルがスローダウンしてイン側を走っていたので、イン側に寄りたかったフェルスタッペンはリスクを避ける為にアウト側を走らざるを得なくなり、コースアウトしてスピン。これがなければもう少し差を詰めることができたとは思うが、それでもハミルトンには敵わなかっただろう。
 
レースではスタートからハミルトンが逃げてフェルスタッペンが追う展開だが、正直ハミルトンは後続との差をコントロールしながら走っていた。
逆にフェルスタッペンは後ろからボッタスが追いかけてきてアンダーカットされる恐れがあったので、24周目に早々とタイヤ交換。ボッタスは34周目にタイヤ交換して10周も若いタイヤでフェルスタッペンを追います。

ペースの速いボッタスは66周目には追いつきフェルスタッペンを一度はかわしますが、ここはフェルスタッペンがアウトから被せて抜き返します。10周も古いタイヤを履いたフェルスタッペンがどうして、若いタイヤを履いたメルセデスのボッタスを抜き返せたかは、もうフェルスタッペンの個人技としかえないこの日の一番盛り上がった場面でした。フェルスタッペン以外の誰もこのようなことはできないでしょう。
 
そんなフェルスタッペンも次の周でかわされた後はノーチャンス。そのまま3位でゴールするしかありませんでした。3位表彰台といっても、メルセデスと互角の戦いをしての3位ならフェルスタッペンもレッドブルもホンダも納得できるでしょうが、この日はメルセデスに全く歯が立たなかったので、嬉しさも半番くらいの表彰台でした。
 
2週連続のレースでレッドブル・ホンダはよくここまで盛り返してきたとは思います。マシンの前後のバランスは良くなっているようです。ただそれは低いレベルにあわせて妥協しているようなので、メルセデスとの差は縮まることはありません。実際彼らは開幕戦で持ち込んだ新しいフロントウィングを使用しませんでした。まだまだセッティングを詰め切れてないのでしょう。
 
次は得意のハンガロリンクです。ここでポールポジションから優勝くらいしないとメルセデスの独走状態は続きそうです。