F1 ニュース&コラム Passion

2014 Rd.4 中国GP 観戦記 レッドブルの白熱するチームメイトバトル

20140421_898511 今回もレッドブルはチームメイト同士のバトルがあり、チームオーダーが出された。またもベッテルに対してリカルドを前に行かせろとの指示である。これは今シーズン2回目である。チーム内に一瞬緊張が走った。 ベッテルはリカルドの履くタイヤが自分と同じミディアムであると知ると、チームオーダーを「お気の毒様」と拒否。だがその後、リカルドが2ストップでベッテルが3ストップである事を知ると、リカルドを前に行かせた。 だが実際にはベッテルは2ストップであった。彼のタイヤのタレは大きく、リカルドのタイヤの持ちの方がよかった。その為、ベッテルのペースは悪かったのだが、それでもチームは引っ張り結局、2ストップでフィニッシュした。 ベッテルの最初のタイヤ交換は13周目で、これは2ストップでも3ストップでもいける周回数である。だがリカルドは17周で最初のタイヤ交換をしたので、これは明らかに2ストップということになる。 だがここでも不思議な事がある。通常3ストッパーはタイヤがフレッシュでタイムもいいので、2ストッパーを追い抜いていかなければならない。だがこの日のレッドブルは逆で、3ストッパーが2ストッパーを前に行かせるという現象が発生した。 通常、レース前にタイヤ交換の作戦はあらかじめ決めておく。もちろん状況によって変更することはある。当然チームメイトの作戦も知っている。だから今回のベッテルの反応は、当初2人は同じ作戦つまり2ストップを選んでいたことを思わせる。 だがペースが遅いベッテルを一度3ストップに変更して、再度2ストップに変更する判断には疑問を感じる。 ベッテルはタイヤの持ちが悪いドライバーではない。だから今回のベッテルのペースが悪い理由がよくわからない。特にレース終盤ではセクター2だけでベッテルはリカルドに対して0.5秒も遅い場面があり、ベッテルのマシンになんらかの問題あった可能性もある。普通、同じマシンに乗ったドライバーで、セクター2だけでこんなに差がつくのはおかしい。ベッテルは四年連続チャンピオンのドライバーである。 一つ考えられる理由は、ブロウンディヒューザーがなくなったことにより、それに最適化していたベッテルが苦労している可能性はある。昨年までのレッドブルは強力な排気ガスの吹きつけを利用して、強大なリアのダウンフォースを獲得していた。そしてそれをウェバーよりもベッテルが上手く利用していたことが、2人の成績が大きく違う理由の一つであった。 ちなみにリカルドは昨年、トロロッソでドライビングしていたのでレッドブルほどエキゾーストブローを上手く利用できてはいなかった。 他にも今年のマシンは昨年と全く違ったドライバビリティになったので、その部分もベッテルを苦しめている。リカルドは全く違うマシンに乗っているので、修正するのが容易である。 ベッテルは予選でもリカルドに負けている。これはこの若きチャンピオンドライバーにとって受け入れるのは難しい状況である。もっともこのままリカルドがベッテルに勝つとも思えない。 もしリカルドがこのままベッテルに勝つようなことがあると、それはエースドライバー交代を意味する。それはF1ドライバーの勢力図を大きく塗り替えることになるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください