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2006 Rd.11 フランスGP観戦記

アメリカGPに続いて、ブリヂストンがミシュランを圧倒した。 予選上位5台中の4台をブリヂストンタイヤユーザーが占め、決勝でも上位4台中3台がブリヂストンユーザーだった。 ブリヂストンタイヤユーザー以外で唯一、上位に来たのがアロンソだ。 スタート直後にマッサをかわそうとしたアロンソだったが、マッサは引かなかった。 アロンソは絶対に無理ができないことがわかった上での、見事なマッサの走りだった。 その後2~3周は、アロンソが新品タイヤのアドバンテージを活かし、アタックし続けるがマッサも頑張り、マッサはアロンソを抑え続ける。 その間にミハエル・シューマッハーはどんどん差を広げていく。 レース自体はここで勝負あり。 ミハエル・シューマッハーがそのまま、独走で優勝した。 問題はマッサとアロンソ。 コース上では抜けないとみたルノー陣営は、レース途中で3ストップから2ストップへ作戦を変更。 アロンソはこの暑いコンディションの中でも、タイヤをいたわり2ストップでも確実なタイムを刻んでいく。 一方、中盤でペースの上がらなかったマッサは、三回目のピットストップでアロンソにかわされ3位でフィニッシュ。 フェラーリにとってはうれしさ半分のフランスGPとなった。 それにしてもアロンソの粘りはすごい。 昨年もそうだったが、勝てないときは確実に2位に入り、勝てるときは積極的にレースをする。 この冷静な判断力と、それを確実に実行に移すアロンソの正確無比なドライビングテクニックは素晴らしい。 これでアロンソは2ポイントを失っただけでフランスを後にする。 もちろん、ルノーとミシュランの地元での敗戦は痛い。 GP開催100周年のレースで、勝てなかったのは残念だろう。 ミシュランは今回必勝を期して、10種類のタイヤを持ち込んだが、ブリヂストンタイヤに敗れた。 今回、ブリヂストンとミシュランはかなりソフトなタイヤを持ち込んだが、ミシュランのソフトは予想以上の高い気温で、摩耗が激しくアロンソはハードを選択せざるを得なかった。 アロンソはハードタイヤの耐久性を活かし、ツーストップを成功させ、被害を最低限に押さえ込んだ。 そもそも3ストップという選択肢は、難しい。 それは決勝レース中、常に予選並のアタックを続けなければならないからだ。 しかも、ミスなしで。 これができるのは、現役ドライバーの中ではミハエル・シューマッハー、アロンソ、ライコネンぐらいだろう。 マッサにアロンソより上位でフィニッシュすることを期待するのは、無理がある。 アロンソとマッサでは役者が違う。 これでミハエル・シューマッハーとアロンソの差は17ポイント。 これは開幕三戦が終わった時の差と同じだ。 つまりアロンソは昨年と同じく、開幕ダッシュで得たリードを堅実な走りで保っている。 昨年との違いはミハエル・シューマッハーがリタイヤしないことだ。 これでチャンピオンシップ争いは少し面白くなってきたが、まだアロンソが圧倒的に優位ことには変わりがない。 しかも、ルノーも黙ってはいない。 次戦ドイツGPで空力とエンジンを大きくアップデートしてくる。 高速サーキットのホッケンハイムで、どちらが勝つかチャンピオンシップを大きく左右しそうだ。 ▽ホンダとトヨタの明暗 ホンダはまたもさえないレースをおこなった。 予選では、バトンがトラフィックに引っかかり第一ピリオドで脱落。 バリチェロも第二ピリオドで脱落と、相変わらず速さがない。 バリチェロは決勝もエンジントラブルでリタイヤと、信頼性もなく、まったく手のうちようがない状態だ。 ジェフ・ウィリスがテクニカル・ディレクターの任を解かれ、辞めたいのをホンダ側が留意しようとしているようだが、やる気がない者をチーム内に留めておくのは悪い影響が大きい。 代わりになる人がいないという事情があるにせよ、さっさと辞めてもらった方がチームのためになると思う。 後任を外から連れてくるにせよ、心機一転新しい体制でやり直さなければ、来年も同じ様になるだろう。 トヨタはブリヂストンタイヤの復調に連れ、調子が出てきた。 ツゥルーリがおしくもリタイヤしたが、それがなければ4位、5位でフィニッシュしていただろう。 今回、ブリヂストンはかなりソフトなコンパウンドを持ち込んだ。 気温が上がったが、耐久性に全く問題はなかった。 トヨタはやっと、ブリヂストンタイヤを使いこなせてきたようで、これからが楽しみだ。 スーパーアグリはSA05最後のレースだった。 琢磨はクラッチトラブルでリタイヤしたが、モンタニーは地元で完走を果たした。 次回からSA06が登場する。 戦闘力は上がるだろうが、あまりテストもできず、ぶっつけ本番みたいな感じだろうから、最初からあまり期待しない方がいいだろう。 日本GPまでに調子を上げ、ミッドランドを上回れればいい。 また次回からモンタニーに代わって、山本左近がレギュラードライバーに昇格する。 ただこの判断は少し疑問だ。 山本左近に才能があるのはわかるが3戦だけ金曜日に乗って、いきなりレギュラードライバーとは少し荷が重いような気がする。 モンタニーは速いし、フィードバックも的確だが、スポンサーマネーがないという問題点がある。 鈴木亜久里も悩んだとは思うが、今シーズン一杯はモンタニーで行き、左近は来年からレギュラードライバーにしても良かったのではないか。 井出有治の二の舞にならなければいいのだが。 ▽冴えないマクレーレン 今回からモントーヤとの契約を解除し、デ・ラ・ロサをのせてきたマクレーレン。 どうやらメルセデス・ベンツがモントーヤの契約解除を強く求めていたようだ。 確かに最近のモントーヤの走りはさえが見られなかった。 ウィリアムズ時代に、ミハエル・シューマッハーとサイド・バイ・サイドの争いを憶えている私としてはとてもさみしい。 NASCARはモントーヤに合っていそうなので、今後の彼の成功を祈りたい。 今年のマクレーレンは競争力があるときと、ないときの差が激しい。 今回は全くチャンスがなかった。 しかも、ピット作業のミスでラルフの先行を許すなど、5位でフィニッシュするのがやっと。 次はメルセデス・ベンツの地元ドイツGP。 チャンピオンを争うルノー、フェラーリともマクレーレンに食われた方が、厳しくなりそうだ。

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