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マクラーレン モナコGP チームオーダーの真相

モナコGPでマクレーレンがチームオーダーを出したとして、FIAが調査していましたが結果はシロ。 無罪となりました。 元々、モナコGPは抜けないサーキットですし、ハミルトンが数周遅くピットに入っていたとしても、アロンソをかわすのは難しかったでしょう。 それにモナコGPはSCが出やすいサーキットなので、チームが念のため早めにピットに入れるのは、戦術としては納得いきます。 実際、カナダGPでアロンソはSCが出たタイミングで、燃料がなくなりペナルティ覚悟で給油をせざるを得ませんでした。 FIAも、チームの勝利を確実にするためにペースダウンさせることは、禁じられているチームオーダーに当たらないとの見解です。 ところが、ここにきて新たな事実が判明してきました。 それはハミルトンのブレーキがかなり厳しかったというのです。 マクレーレンのエンジニアによると、ハミルトンのブレーキパッドは、レース終了後ほとんど残っていなかったそうです。 モナコPGは意外に思われるかもしれませんが、ブレーキ自体には厳しくありません。 平均速度が低いのが、その理由です。 ただ、直線が短いので、ブレーキの冷却が難しいという問題をはらんでいます。 F1のブレーキは極めて限られた温度領域のみで、動作するように設計されています。 温度が低ければ全く効きません。 だから全てのドライバーは、スタート前にブレーキを何回も激しくかけて温度を上昇させています。 そして、温度が高すぎればパッドが異常摩耗します。 今回、マクレーレンのブレーキは予選段階から厳しいことがわかっていました。 そこで、アロンソは予選の段階からブレーキをいたわる走りに変えました。 もちろん、アタックラップでは全開ですが、それ以外ではブレーキをいたわって走りました。 アロンソは決勝でも、ブレーキを注意深く使いパッドの摩耗を防ぐようにしていました。 もちろんコンマ何秒かのタイムロスは承知の上です。 それでもマクレーレンは他のチームに対してアドバンテージを持っていました。 一方のハミルトンは全開アタックを繰り返し、結果的にパッドの温度上昇を招き、異常摩耗を招きました。 その為、危険を感じたマクレーレンはハミルトンにペースを落とすよう指示したのが、今回のチームオーダーの真相です。 そう考えると、カナダGPはブレーキに厳しいサーキットです。 もし、アロンソがペナルティを受けていなければレースがどうなったかは興味深いところです。 カナダGP終了後のハミルトンのブレーキパッドの残量も気になります。 独走状態で、今回はブレーキをいたわることもできたので問題なかったとは思いますが。 こういう話を聞くと、完璧に見えるハミルトンも、まだまだ学ばなければならないことが、あることがわかります。 ただ、インタービューの受け答えを聞いていると、ハミルトンはかなり頭が良さそうですから、すぐに学習していくことでしょう。 なんといっても、その先生はダブル・ワールド・チャンピオンなのですから。

2 thoughts on “マクラーレン モナコGP チームオーダーの真相

  1. J

    なるほど、確かにハミルトンのブレーキからは結構な量のブレーキダストが、ブレーキングのたびに出ていましたね。それはカナダでも今回のUSGPでも目立っていたような気がします。

  2. mura

    今日は、読者として、、。
    アロンソが、カナダでは「ハミルトンがラッキーで
    自分はアンラッキーだった、、」てな、負け惜しみを
    言ってました。 この負け惜しみが私はきらいじゃないですね。
    、、、で、アメリカでは、表彰式に肩を抱き合って出て
    きましたね。 チャンピオンとして、見苦しくないように
    振舞っていました。 心中は悔しさでいっぱいでしょう。
    嘗て、赤い車の2番手を走り、チームオーダー騒ぎまで
    起こしたドライヴァーが、1ポイントも取れないチーム
    の、毎回言ってる「悪くはなかった、次回は、、」と言う
    コメントが私を失望させます。
    ハミルトンにこれから待ち受けるのは、奢りと、自信と
    周りの騒音に対してクールに対応してゆく、若者には一番
    難しい試練でしょうね。  頑張れ若い鷹たち !!!
                 MURA-G

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