フェラーリに暗雲 風洞壊れた?
フェラーリはなぜ失速したのか?
シーズン序盤4戦、フェラーリは明らかにマクレーレンに対してアドバンテージを持っていた。
マクラーレンが対抗できていたのは、優れた二人のドライバーを有していたからだ。
しかし、モナコから事情は変わった。
正確に言うとカナダGPから状況は大きく変わった。
モナコは特殊なサーキットで、マシンよりもドライバーのスキルに大きな比重がかかる。
だから、モナコでフェラーリが惨敗しても、カナダで復活するだろうと思っていた。
だが、北米の二戦でフェラーリはマクレーレンに太刀打ちできなかった。
今のマクレーレンは明らかに、フェラーリより競争力がある。
フェラーリは秘密主義なので、情報が外に漏れてくることは少ない。
だが、ここにきてフェラーリの風洞が壊れたのではないかという噂がでてきた。
フェラーリには一基しか風洞がない。
それを補うためにチームは、コンピュータを使ったシミュレーションシステムに大金を投資している。
風洞はメンテナンスするために、機械を一定時間止める必要がある。
他のチームが風洞を二つ持っているのは、24時間態勢で風洞実験をしたいからだ。
では、その一基しかない風洞が壊れたらどうなるか?
当然、開発のスピードは落ちる。
コンピュータ・シミュレーションでは、限界がある。
コンピュータ・シュミレーションで効果を確認したら風洞実験し、それでいい結果が出たら、実際のマシンでテストするのが通常の流れだ。
空力パーツの開発にとって、風洞が動かないというのはかなり厳しい状況だ。
噂によると、風洞が壊れたのは1ヶ月前。
フェラーリの失速時期とぴったり重なる。
しかも、ムービングベルトが壊れたというのだ。
今のムービングベルトはスチール製で、時速300キロ近い速度で回転するのだが、これが壊れたとすると、部品が飛び散り、風洞の被害は甚大だろう。
復活させるのに時間がかかりそうだ。
果たして、フェラーリはこの苦境を乗り越えて復活できるのだろうか。
それは、二人のドライバーが鍵を握るだろう。
マクレーレンは序盤、競争力が劣る部分を二人の優れたドライバーの力で補ってきた。
幸い、マクレーレンとの差はそれほど開いていない。
速いマシンがあれば、優秀なF1ドライバーは勝つことができる。
だが偉大なドライバーは多少、マシンの性能が劣っても勝つ。
他より劣るマシンで勝つかどうかで、そのドライバーの真価が問われる。
ライコネン、マッサともその実力を試されている。
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