スーパーアグリの危機
最悪の事態が起こった。
以前から憂慮していたが、スーパーアグリと買収の基本合意に達していたマグマ・グループが突然、買収する意図がなくなったと通知してきた。
これにより、スーパーアグリは非常に困難な状況に陥った。
スペインGPは4月25日より始まる。
スーパーアグリは短期間に、活動資金を集める必要がある。
鈴木亜久里は他との交渉を認めているが、それが急にまとまるとも思えない。
そうなると、頼みの綱はホンダだ。
鈴木亜久里は、今週ホンダと今後の対応を協議する。
もし、ホンダがこれ以上の資金提供を拒めば、スーパーアグリの今シーズンは終わる。
そもそも、開幕戦直前にマグマ・グループが買収するとアナウンスされたときに、違和感はあった。
普通、こういう買収案件というのは正式に契約が締結されてから発表されることが多い。
その前に発表せざるを得なかったのは、恐らく契約がまとまるまでの短期間の資金を銀行かホンダから融通してもらうためだったと思う。
しかし、これによってスーパーアグリは追い込まれた。
発表した以上、他の投資家との話し合いは、停止もしくは中止せざるを得ない。
そうなると、スーパーアグリはこの交渉を絶対にまとめ上げなくてはならなくなる。
以前のコラムでも述べたが現在、スーパーアグリは非常に弱い立場にある。
彼らはこの交渉を早急にかつ、絶対に成立させなければならない。
そうしなければ、チームの存続は危うい。
一方、マグマ・グループからすれば買収はいつでもいい。
今回の買収見送りであるが、これはマグマ・グループが条件を引き下げるためにうった芝居と見ることもできる。
要するに、あしもとを見ているのだ。
極端な話をすると、スーパーアグリが倒産してから買うのが、彼らからすると一番安く買える。
(倒産する前に、他の投資家に買われるリスクはあるが、現在、その可能性は極めて低い。)
純粋な投資家として考えれば、これは極めて合理的な判断である。
マグマ・グループの代表がレーシングに情熱を持つ人であればいいのであるが、彼らの背後には中東の投資家が控えているらしい。
そうなると、彼の意向より投資家の意向が反映されるのも、当然である。
窮地に陥ったスーパーアグリはどうなるのか。
今週中に開かれるホンダとの協議で、スーパーアグリの将来は決まる。
ホンダが支援するにせよ、億単位の金を動かすのであればそれがタイムリミットであろう。
ホンダのロゴが入った、世間的にはホンダのセカンドチームと思われているスーパーアグリをホンダが見放すとは考えにくい。
ただ、これまでもホンダはスーパーアグリに技術的、資金的に支援を続けてきた。
それに対して、会社の中でもよく思わない人はいるだろう。
短期間の内に反対派を退けて、支援を継続するにはトップダウンしかない。
スーパーアグリの将来はどうなるのであろうか。
マグマ・グループは、投資を再検討すると表明している。
これは裏読みすると、条件を下げろと言っているようにも聞こえる。
マグマ・グループに交渉の意図があり、条件闘争しようとしているのでありかつ、スーパーアグリがそれを飲むのであれば、正式な契約にのぞめるだろう。
その条件が、スーパーアグリが絶対にのめないようなものであるか、本当に投資する意図がなくなったのであれば、全てはホンダに委ねられる。
思い返せば、スペインは昨年スーパーアグリが念願の初入賞を成し遂げた思い出の地である。
よもや一年後に、こんな事態が待ち受けているとは、想像すらしなかった。
幾多の困難を乗り越えて、ここまでやってきたスーパーアグリ。
彼らがこの難局を乗り越えられることを信じている。
【編集後記】
開幕戦前に、買収の話が出たときになんとなく嫌な予感はしていましたが、まさかそれが実現するとは。
私たちに何かできないでしょうか。
一人一万円を寄付すれば、100人で100万円、1000人で1000万円集まります。
確かに膨大な資金が必要なF1からすれば、はした金かもしれません。
それでも、私たちの思いが伝えられるのではないでしょうか。
情熱がなければ、何も始まりません。
確かに、スーパーアグリの資金計画はずさんだという声もあるでしょう。
しかし、F1への参戦が無条件にできるのは、あのタイミングしかありませんでした。
2008年からカスタマーカーでの参戦が約束されていたにもかかわらず、破られたのも痛手でした。
それが、スポンサー活動に与えた影響は恐らく甚大だったと思います。
だから、彼らを責めることはできません。
個人でF1に挑戦するのは、確かに無謀と言われればそうでしょう。
一人の日本人が、F1にチャレンジする。
なんと、素晴らしいことではないでしょうか。
しかも、個人のためにではなく、日本のモータースポーツの発展のためにです。
もし、この考えに賛同していただけ方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。
この活動には、見返りはありません。
会員証があるわけでもないですし、ステッカーを配ることもできません。
それでも、スーパーアグリに力になりたいと、熱い思いをお持ちの方、是非連絡下さい。
もちろん、私も参加させていただきます。
詳細をご希望の方は、下記のアドレスまでメールをお願いします。
タイトルは名付けて、「スーパーアグリ支援プロジェクト」です。
メールアドレス:sentaroh@r3.dion.ne.jp
件名:スーパーアグリ支援プロジェクト参加希望
もしくは
件名:スーパーアグリ支援プロジェクト情報希望
お名前:
住所:県名と市町村名
スーパーアグリへのメッセージ:
- 開幕三戦を終えて
- 「F1疾走するデザイン」展を見てきました