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2005年F-1 Rd5 スペインGP 観戦記

▽ライコネンのワンマンショー サンマリノGPで速さを見せたライコネンが予選から素晴らしいパフォーマンスを披露。 予選一回目、第二コーナーで大きくミスをしながら僅差の3位。 予選二回目では他社を大きく引き離しポールポジションを獲得。 決勝でもスタートで前に出るとそのままぶっちぎり。 珍しくレース中に一度もトップを譲り渡すことなくポール・ツー・ウィンを成し遂げました。 スタート直後からスパートをかけて、調子のでないアロンソを引き離すとギャップをコントロールしての完勝。 今までも速さは見せるものの予選で失敗したりして、実力を発揮できていなかったライコネン&マクラーレンの逆襲の開始かな。 今回、最もいかした走りを見せて、レースをわかせてくれたドライバーに与えるMID(Most Impressive Driver)はライコネンでしょう。 マシンの良さに助けられてとはいえ、見事な走りでした。 一方のアロンソは勝てなかったものの二位をゲット。 地元で勝てなかったのは残念だったろうが、ライコネンのペースについていけないことがわかるとペースダウンして2位狙いに目的をシフト。 チャンピオンになる為には優勝できないときにいかにポイントを取るかが大事。 その意味ではアロンソのスペインGPは満足いく内容だっただろう。 前回の観戦記でこのGPにアロンソが勝てれば、チャンピオンまっしぐらみたいなことを書いたが、今回の2位入賞で逆にチャンピオンへの道を一歩踏み出した感じがする。 今回、完勝したライコネンだがチャンピオンを狙うに当たってシーズン序盤のつまずきは大きな障害となりそうだ。 今年は19GP開催されるので後半巻き返しが可能だとする説があるが、レース数が多いのはアロンソも同じ。 1位と二位のポイント差が2ポイントしかな状況で、追いかけるドライバーが勝ってもアロンソが2位入賞すれば差は少ししか縮まらない。 逆に追う立場のライコネンがリタイヤしたときに、アロンソが勝ってしまえば大きなリードを許してしまう。 ルノーの信頼性が急に大きく崩れることは考えにくいので、シーズン後半までアロンソが優位を保ってチャンピオンレースを戦っていきそうだ。 ▽ミハエルとBARの憂鬱 ミハエルは今回も決勝重視の作戦で来た。 と言うより予選で前に出てそのまま勝つという展開はタイヤの関係で取れないと言った方が良いのだろう。 昨年も走り出しすぐのタイムが出にくいという問題を抱えていたブリヂストンだが、今年は更に深刻なようだ。 ロングランではミシュランと遜色のないタイムが出いているので良いのだが、昨年ほどのアドバンテージは見られない。 サンマリノでは圧倒的なパフォーマンスを見せてくれたのだが、今年はミシュランもすぐに反撃してきた。 ただパンクがなければ優勝は難しくとも2位はねらえる位置にいたので速さと言う面ではそれほどの心配はないだろう。 問題はパンクの原因が特定できるかどうかだ。 単純に何かのパーツを踏みつけてパンクしたのならいいが、原因が特定できないとこれからの戦いは厳しくなることが予想される。 原因がわからないと信頼性重視のタイヤを持ち込まざるを得ず、タイムが犠牲になる可能性がある。 今回リタイヤしたことはミハエルにとってチャンピオン争い上では大きなハンディキャップになりそうだ。 昨年ほどのアドバンテージがない状況で34ポイント差はいかにミハエルでも追いつくのは容易ではない。 BARは今回、出場停止処分を受け欠場。 原因はサンマリノGPでのレギュレーション違反。 技術的にどうだったのか詳細が漏れ伝わってこないので、はっきりしたことは言えないがチームにとってはかなりの痛手となる。 サンマリノGPでのシーズン初ポイント剥奪も厳しいが、イメージ的に悪くなったことはBATが撤退した後のスポンサー探しにも影響を与えそうだ。 大昔にティレルが、軽い状態でスタートし最後のピットインで水か鉛を補給して最低重量をクリアして失格、半年くらい出場停止となった事件があったが同じ様な状況なのだろうか。 そうだとするととてもワークスチームとは言えないな。 このレギュレーション違反はデザインチームが独断でやったとは考えづらくチーム首脳の承認があったはず。 最低重量違反で失格になることは回数は少ないが珍しいことではない。 ただその後のGPの出場を禁止されたのは、チームぐるみの悪質なケースと判断されたのだろう。 BAR側も当初は裁判に持ち込むなどと息巻いていたが、結局はこの裁定を受け入れた。 私もこの決定はBAR側に取ってやさしいものだったと思う。 残念だったのはテストでの好調が伝えられていたスペインGPの欠場とモナコGPで琢磨の勇姿が見られないことだ。 F1の華であるモナコで彼の走りを見たかった。 ▽次は楽しみ、モナコGP 他ではトヨタが相変わらずの信頼性の高さを見せつけ表彰台の一角を手に入れた。 予選でのパフォーマンスが問題だったラルフも、事前に予選用のテストを実施して結果を残したがツゥルーリには一歩及ばずも、4位でダブル入賞を果たす。 ウィリアムズの二台はタイヤに厳しいマシンと格闘している。 これが空力的な問題なのか、サスペンション側の問題なのかは微妙だがタイヤ交換なしの今シーズンでは早く問題を解決しないと苦戦は続く。 8位にはしぶとくクルサードが入った。 来シーズンはリウィツィとクリエンのラインアップが噂されているが、クルサードを手放すのは惜しいような気がする。 さて次回は華のモナコGP。 ここだけはパッシングシーンがなくてもわくわくします。 モナコの優勝者を予想するのは難しい。 ブリヂストンタイヤで一発のタイムが出せればモナコマイスターのミハエルが有利だと思うがこれまでの展開を見ると厳しそう。 いかにミハエルとはいえグリッド中程からスタートすれば、勝つのは厳しい。 ミシュラン勢は勢力が拮抗しているので、誰が勝ってもおかしくない。 予選での少しのミスが結果を左右しそうだ。 スペインGPを見ている限り、マクラーレンは低速時のトラクションがよくかかっているみたいなのでミスがなければライコネンの連勝と予想しておきます。

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