スペインGP観戦ガイド
【サーキット】
シルクイート・デ・カタルーニャ
4.655km×66周=307.104km
第一セクターと第二セクターは、中高速コーナーが中心。
ダウンフォースのレベルは高く、マシンの空力性能が問われるので、二層ディヒューザーを装備するチームが有利。
第三セクターは低速区間で、マシンのメカニカルな性能が求められる。
その為、マシンのセットアップのバランスが難しい。
また、このサーキットは中高速のコーナーが多く、前を走るマシンの1秒以内に近づくと空気の乱れにより、フロントのダウンフォース量が変化し、ドライビングが難しくなる。
その為、前走車に接近するのが難しく、コース上での追い抜きが極めて難しいサーキットであり、予選でのグリッド順が非常に重要となる。
【エンジン】
エンジンの全開率は57%で比較的エンジンには楽なサーキット。
ただ、直線部分は短くないので、KERS搭載マシンは追い抜きが可能になるかもしれない。
【KERS】
マクラーレンとフェラーリは搭載。
ルノーとBMWは使用しない。
BMWはマシンのパフォーマンスが芳しくなく、コースの特性上、フロント側に荷重をかけたいので、KERSを搭載しないで、浮いた分をフロントにバラストを搭載することを選んだのと推測される。
そうすることにより、他のマシンとのKERS抜きの性能差が直接比較できるので、それを今後の開発の指針にしたいのではないだろうか。
【タイヤ】
ブリヂストンはソフトとハードを持ち込む。
中高速の回り込む右回りのコーナーが多いため、左側のタイヤ特にフロントタイヤに負荷が大きい。
この点、タイヤに優しいブラウンGPは有利。
【ピット戦略】
左フロントに厳しく、燃料搭載量がラップタイムに与える影響が大きいサーキットなので、1ストップは難しい。
ラップタイムが2秒違っても抜くのは難しいので、3ストップもメリットがない。
ほぼ全てのマシンが2ストップで臨むだろう。
ピットレーンのロスタイムは、19秒強+静止時間。
【マシンのアップデート】
最も大きな改良を施してくるのはフェラーリ。
彼らは開幕4レースでのアップデートをほとんどせず、満を持して大型の改造をしてくる。
F60Bと呼ばれるこのマシンは、二層ディヒューザーを装備していると見られる。
また15kgの軽量化に成功したとも伝えられ、KERS搭載のデメリットを相殺しようとしている。
この15kgの軽量化の大きな部分は、KERSの特にバッテリーの小型化軽量化が寄与していると推測される。
BMWは、二層ディヒューザーを準備していると見られるが、コンピュータ・シミュレーション上で効果が確認できないとして、レースに搭載するかどうかは未定。
マクラーレンやルノーなどは暫定版の二層式ディヒューザーでも一定の効果を上げており、BMWが効果がないのであれば、それはマシンのエアロダイナミクスに致命的な欠陥があるとも考えられる。
そうなるとBMWの今後の見通しは厳しい。
【レース展望】
追い抜きが難しいサーキットであるので、予選の順位が非常に重要。
タイムよりも、ポジションを重視する必要があり、レース中に臨機応変にピット戦略を変更できるチームは有利。
レースでは、空力とメカニカルな部分のバランスが高い次元で調和がとれているブラウンGPのバトンが本命。
ブラウンGPはタイヤに優しいのも有利な条件。
ただ、バーレーンGPのように予選でタイヤの発熱に苦労して、フロントロウに並べないと楽勝とはいかない。
もし、バトンがポールからスタートすると、ライバルチームは厳しい戦いになる。
ただし、KERS搭載チームは、スタートで何台か抜くことができるので、マクラーレンとフェラーリとバトンとの予選位置関係にも注目。
バトンの対抗馬はベッテルとトヨタの二台。
予選で軽い燃料を積んでバトンの前に出て、レースの主導権を取りにいかないと、勝利は難しいだろう
- Pit-FM F1Meeting スペイングランプリ出演決定
- Pit FM F1 Meeting スペインGP解説記