2009 Rd.7 トルコGP観戦記 Part2 バリチェロの苦悩
七戦六勝と圧倒的な結果を残すバトンに比べまだ一勝もあげていないバリチェロ。
彼のトルコGPは厳しいレースとなった。
スタートでストールしかかったバリチェロは、奇数列という有利なポジションにいながら、失速。
あっと言う間に中団グループに、巻き込まれていった。
その後は、圧倒的なスピードで追い上げを見せるが、無理なアタックから接触して、フロント・ウィング交換を強いられ、大きく遅れてしまう。
そして、最後はギアボックスのトラブルで、ブラウンGPシーズン初のリタイヤとなった。
バリチェロは、スタートもギアのトラブルが原因と発言している。
それにしても、勝てるマシンを手にしながら勝てないバリチェロの心境はどのようなものであろうか。
バリチェロが頑張らなければ、バトンのチャンピオンは夏場には決まってしまう。
▽深刻なマクラーレンと立ち直ったトヨタ
徐々に戦闘力を増してきたと思われていたマクラーレンだったが、トルコでハミルトンはQ1で脱落。
コバライネンもQ3進出はならなかった。
マクラーレンの二台は、明らかにリアのダウンフォースが少なく、下りながら曲がるコーナーでは、コーナー入り口でリアが流れていた。
それに加えて、ダウンフォースの総量も他に比べて少ないマクラーレンは、高速コーナーの多いトルコでは絶望的な戦いを強いられた。
モナコでは最後尾からのスタートにもかかわらず、軽い燃料で攻め続けたハミルトンであるが、ここでは重い燃料を積んでスタートしなければならなかったことからも、彼らの苦悩がうかがい知れる。
フェラーリは、マクラーレンよりはいい状態ではあるが、それでもブラウンGPやレッドブルほどのダウンフォース量はないようだ。
同一GP四連勝を狙ったマッサであったが、このマシンで勝つことは難しい。
トルコでのフェラーリのパフォーマンスを見ると、トータルのバランスは悪くはないものの、ダウンフォース量はブラウンGPやレッドブルには、及ばないことがわかる。
そう考えると、次のイギリスGPでもフェラーリは入賞を目指す戦いになるだろう。
トヨタは、どん底のモナコGPから立ち直り、ツゥルーリが4位に入賞した。
グロックも予選Q2でのミスから、巻き返しライコネンを押さえて8位になった。
イスタンブールは路面がフラットで、高速コーナーが多いことからトヨタ向きのサーキットでもある。
ただ、喜んでばかりもいられない。
上位2チームとの差は大きく、表彰台に上がるには、上位陣の脱落を待たなければいけないのが現状である。
レッドブルが、二層式ディフューザーを搭載してきたことにより、トヨタはレッドブルの後塵を拝することになった。
トヨタは今以上に開発スピードを上げない限り、シーズン後半は厳しい戦いを強いられるようになるだろう。
ウィリアムズにとってもいいレースとなった。
ニコはスタートでジャンプアップに成功。
その後もいいペースをキープして、5位に入賞。
二台そろっての入賞も目前だったが、一貴の最後のピットストップで左前輪のナットがはまらないミスが出て、12位に終わってしまった。
一貴も彼自身、最高のレースができていたと述べているだけに、非常に残念な結果となった。
BMWの二人もトルコGPが終わり少し安堵しているかもしれない。
予選ではクビサとハイドフェルドが10位と11位からレースをスタートし、クビサは7位でフィニッシュし、今シーズン初のポイントを獲得した。
それにしても開幕戦で優勝をうかがう勢いだったクビサがここまで無得点だったとは。
最後に二層式ディフューザーを持ち込んだチームとなったBMWだったが、時間をかけただけあって、凝った作りになっている。
効率も良さそうなので、次のイギリスGPも期待が持てそうである。
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