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2014 Rd.8 オーストリアGP観戦記 ウィリアムズ 保守的な作戦で勝利を逃がす

  今回、ウィリアムズは惜しいレースを落とした。彼らのマシンはダウンフォースが少ないという弱点があるが、これは裏返せばドラッグが少ないということでもあり、最高速度が重要な意味を持つレッドブルリンクには最適なマシンを持っていた。 もちろん純粋なラップタイムはメルセデスの方が速いのだが、トップスピードが速いウィリアムズを抜くのは難しい。だから予選は重要な意味があったが、メルセデスはハミルトンが2回のアタックを共にミスしてノータイム。ロズベルグの2回目のアタックは、前を走っていたハミルトンがコースアウトしたことにより、イエローフラッグが出て(モナコとは逆のパターン)ベストタイムを更新できなかった。 これによりウィリアムズはフロントロウを独占した。ボッタスはミスをしてポールポジションをマッサに譲った。マッサのポールポジションは6年ぶり。あの2008年最終戦のブラジルGP以来である。ウィリアムズのフロントロウ独占はさらにさかのぼり11年ぶりになる。 スタートではマッサがトップを維持。ボッタスはスタート直後にロズベルグに抜かれるが、すぐに抜き返す素晴らしい走りを見せた。さらにボッタスは1回目のタイヤ交換のインラップで速いタイムを記録。チームのタイヤ交換作業も速く、ハミルトンの前の2位でコースに戻ることができた。 だがマッサはロズベルグがタイヤ交換した後で3周も引っ張った為に4位に落ちた。ボッタスは最初のタイヤ交換では2位を維持できたが、2回目のタイヤ交換ではハミルトンより2周も遅くタイヤ交換し3位に落ちてしまった。 確かに今年のウィリアムズはタイヤに厳しく、最後までタイヤが持つのか、心配なのは理解できる。しかし勝利の可能性があるレースでここまで保守的な作戦をとるのは、理解はできるが、惜しいレースを失ったとしか言えない。 そこがトップチームと中堅チームとの違いで、かつてはウィリアムズも常勝チームであり、常に優勝を狙いにいっていた。だが今は中堅チームであり、表彰台を逃したくないという気持ちが強かったのであろう。 そう考えると彼らは最初からメルセデスと戦ったいたわけではなく、他のメルセデスPU搭載チームと表彰台を賭けて戦っていたことになる。それでは勝てないもの当然である。

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