ハンガリーGP観戦ガイド
【サーキット】
ハンガロリンク
4.381km×70周=306.458km
多くの中低速コーナーと長いストレートを持つテクニカルなサーキット。
普段はレースが少ないことから、市街地サーキットのように金曜日の朝と日曜日の午後では路面コンディションが全く異なる。
周回ごとにグリップが向上するため、予選最後のアタックが勝負の分かれ目。
過去10回開催されているハンガリーGPで、ポールシッターが優勝したのは6回。
決勝レースでの追い抜きは、ほぼ不可能なため予選が重要な意味を持つ。
ただ、このハンガリーGPは波乱のレースが多いことでも、知られている。
昨年、マッサが優勝目前でエンジントラブルでリタイヤしたことは、記憶に新しい。
2006年にはトップを走るアロンソがリタイヤし、ホンダのバトンが初優勝を飾った。
1997年にもトップ独走のアローズをドライブする、D・ヒルが残り数周でスローダウンしたこともある。
今年は、退屈なレースになるのか、波乱のレースになるのか、興味は尽きない。
オーバーテイクが可能なのは、ストレートとターン1での飛び込みであるが、これも前を走るマシンが最終コーナー立ち上がりでミスをした場合に限られる。
気温は例年高く、降雨は非常に珍しい。
その為、タイヤに優しいブラウンGPは非常に有利。
【エンジン】
全開率は58%と低くエンジンの負荷は少ない。
ただ、高温になることが予想されるので、温度的には厳しく、クーリングは重要な要件である。
低速コーナーが多いことから、低回転域でのトルクが重要である。
【シャシー】
ダウンフォースが最優先のコース。
効率のいいアンダーフロアから得るダウンフォースが重要になる。
また、低速コーナーではメカニカルグリップも必要になる。
低速からの立ち上がりのトラクションが足りないとタイムを失う。
【KERS】
マクラーレンとフェラーリは搭載する予定。
スタートから1コーナーまでの距離が長く、ポジションを2~3は上げることができるだろう。
ただ、最終コーナー立ち上がりから使い、オーバーテイクするのは難しい。
【タイヤ】
ブリヂストンはスーパー・ソフトとソフトを持ち込む。
金曜日の時点で路面は汚れており、スーパーソフトでの走行は難しいが決勝終盤には問題なく使えるだろう。
低速コーナーが多いため、リアタイヤのタレやグレイニングは致命的となるので、丁寧なアクセルワークが必要。
【ピット戦略】
2ストップが基本。
オーバーテイクが難しいことに加えて、コース1周の距離が短く周回遅れに引っかかる可能性も高いので、3ストップは難しい。
ただ、フューエル・エフェクトは少ないので、Q1、Q2で脱落したドライバーは1ストップ作戦もありえる。
ストップ時間は、16秒+静止時間。
【マシンのアップデート】
マクラーレンは、ドイツGPでハミルトンだけ使用した、新ディヒューザーをコバライネンにも装着。
ルノーもドイツでアロンソだけが装着した、最新パーツをピケJrに投入する。
トロ・ロッソがレッドブルがイギリスGPで装着した、二層式のディヒューザーを搭載する。
【レース展望】
中低速領域でアドバンテージを持つブラウンGPのバトンが優勝する可能性が高い。
バリチェロも大きなミスがなければ2位は可能で、ブラウンGPの1-2フィニッシュが予想される。
逆に、ここで勝ちを逃すと、ブラウンGPのチャンピオンシップに暗雲が立ちこめる。
レッドブルやトヨタには向かないサーキットなので、苦戦が予想される。
その為、フェラーリやマクラーレンそして、ルノーは表彰台のチャンスがある。
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