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ケータハム F1撤退へ向かうのか?

14300437309_dbf978f016_k ケータハムのオーナーであるトニー・フェルナンデスがF1から撤退することをほのめかしている。 2010年にF1に参入してきたケータハムのオーナーは、彼のツィッターのアカウントで「F1はうまくいかない。でもケータハム カーズは愛している」と投稿し、その後そのアカウントを閉鎖した。 2013年をコンストラクターズランキング最下位で終え、今年も苦戦するチームは買収を目論む投資家や買い手と話し合いを続けている。 買い手の候補の中にはミッドランドやスパイカー、HRTでチーム代表を歴任したコリン・コレスが含まれている。コレスは現在、新規参入を目論むルーマニアのF1チームを構築しようと試みている。また中東の投資家とも話し合いと持っていると噂されている。 エア・アジアとイギリスのプレミアリーグのサッカークラブ「クィーン・パーク・レンジャース」のオーナーでもあるフェルナンデスは、4年前にロータスの名前でF1に参入。2012年にフェルナンデスが買収したスポーツカーメーカーであるケータハムに名前を変更した。 彼はケータハムグループを拡大しようと計画していたが、今年になりルノーと共同でスポーツカーを開発する目的の会社の株をルノーに譲り渡した。また彼は今年の初めに、もし今年F1チームが成功しないのであれば撤退すると述べていた。 今年初め、フェルナンデスは「下位にいるのなら、続けることはできない。毎年参戦して無得点ならば、忍耐と資金には限界がある」と語っていた。 「どのレースでも他チームと争うことなく、2秒遅く走っているようなら、進歩していないということだ。競争力がないのなら、F1に意味があるのか、真剣に考え直さなくてはならない」 当初、それはチームに活気をもたらすための、厳しい励ましの言葉であると理解されていたが、最近のフェルナンデスの言動を見ていると、彼が本気である事がわかる。 では中東の投資家との話し合いはどうなるであろう?F1は投資家にとっておいしい投資先なのであろうか?答えは残念ながらノーである。今のF1では大半のチームが赤字で苦しんでいる。しかもチーム力はだいたい固定化されており、小さなチームが奇跡を起こす可能性はほぼない。そう考えるとF1チームに投資するのは、ムダな金を投資することと同じである。もちろんアラブの投資家が投資効率を無視して、自国の名前を世界に広めるために、投資する可能性がゼロとは言えない。 だがこれまで多くのチームが中東の投資家と株式売却の話をしてきたが、成功した事例はほとんどない。 売却先で、唯一可能性があるのがコリン・コレスが立ち上げようとしているルーマニア資本のF1チームである。来年からF1参入を目指すのであれば、活動中のチームを買収すれば、全てが揃っているので、来年から活動を開始するのに問題はない。あとは金額次第であろう。あまにも高い金額でオファーすれば、2016年からの活動にして新しくチームを立ち上げる方が安上がりになる。ただフェルナンデスは相当、ケータハムに投資しているので二束三文で売ることはないと思われる。 ケータハムは参戦後3年間はコンストラクターズランキングで10位になり、より多くの分配金を手に入れることができた。しかし2013年にはマルシアに逆転され、最下位になり分配金の額も少なくなった。 今年も最下位になるとケータハムが受け取る分配金は更に減少し、2015年のオーナーはより少ない分配金しか受け取れなくなる。 F1の場合、ケータハムやマルシアレベルのチームでも年間100億円近い活動費がかかる。だがメインスポンサーのないケータハムの場合、スポンサー収入は少ないので、35億円前後の分配金はチーム活動を維持するためには必要不可欠である。そして今年も最下位になると、それは15億円前後に減ることになるだろう。 分配金があっても相当大きな額の赤字を毎年垂れ流しているわけで、フェルナンデスが撤退する理由も理解できる。そして来年の分配金額が大きく減額されるのであれば、撤退は避けて通れないかもしれない。 だがケータハムがシーズン途中で撤退することはまずないと考えていい。なぜなら彼らはF1に関する契約であるコンコルド協定を締結しており、シーズンを通して参加が義務づけられている。彼らがシーズン途中に撤退すると契約違反になり、分配金も支払われなくなるし、そうなると来年度以降の参戦権も失い、チームの価値は大きく損なわれる。 そうなるとチームへの投資の話もなくなるし、売却もできなくなるか、売却金額が大きく下がることは間違いない。そのようなことを優秀なビジネスマンであるフェルナンデスがするとは思えない。ただ来年以降のケータハムの未来が不確定なのは間違いのない事実である。  

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