仙太郎のF1何でも大辞典 【給油とリグ】
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F1なんでも大辞典
これであなたも川井ちゃんの解説がわかる!
F1を100倍楽しむ仙太郎のF1講座
今さら、他人に聞けない、友達に聞けない、彼氏にも聞けないし、旦那にはもっと聞けない(^^)。
そんなあなたに、F1の基本中の基本をお伝えします。
記念すべき第一回目はこちら。
じゃかじゃん!
【給油とリグ】
給油時に「リグが抜けない」などと表現されるリグですが、これは給油ホースの先端についている金具のことです。
現在では先端が青色に塗られているので、VTRを見直していただくと、わかると思います。
では、なぜF1の燃料ホースにはリグが付いているのでしょうか?
F1は燃料を補給する際に、大量の燃料を短時間で補給するために、圧力を加えています。
現在は、1秒間に12.1リットルが補給されます。
なので5秒給油すると60.5リットルのガソリンが追加されます。
なぜ圧力を加えて短時間で給油するかというと、普通にガソリンスタンドで給油すると例えば50リットル給油するのに何分もかかり、間延びして面白くないからだと思います。
もし、給油で5分も止まっていたら、ドライバーがコックピットから降りて、トイレに行ったりして(^^)。
1秒間あたり決められた燃料が補給されるので、ピットでの止まっている時間を見るとだいたいの補給燃料量がわかります。
それがわかるとF1マシンのだいたいの燃費がわかるので、次のピットインまで何周走るかが予想できます。
川井ちゃんはさらに独自に入手した丸秘の各マシンの詳細な燃費データをもっているので、FIA表示より正確な予想ができていると思われます。
60リットルの燃料をガソリンスタンドで給油することを思い出してください。
いかに大量の燃料が短時間で給油されることがイメージしていただけると思います。
その為、通常の燃料補給用のホースで補給すると、ガソリンが漏れる恐れがあります。
ガソリンが漏れると、発火して危険です。
そこで、ホースの先端にリグという金具を付けました。
リグは、マシンの給油口とピッタリはまるようになっていて、給油中にガソリンが漏れないような構造になっています。
リグを、マシン側の燃料タンク給油口に、接続すると決められた量のガソリンが流れます。
だから、チームは事前に、補給する燃料量をセットしておく必要があります。
抜くと自動的に止まります。
時々、燃料補給終了後にガソリンが漏れて引火することがありますが、リグを抜くときに斜めになって抜いたりすると、綺麗に蓋が閉じないで、少量のガソリンが漏れます。
ガソリンは火が付きやすいので、エンジンや排気管周辺の熱い部分に、落ちるとすぐに燃えてしまいます。
ですが、ガソリンは蒸発しやすいのと、燃えやすいので、少量であればそのまま走っていっても、問題なくすぐに消えます。
リグは燃料が漏れないように、マシンの給油口とピッタリとはまるようになっています。
だから、斜めになった状態で、リグをつなごうとすると、入りづらくなりますし、抜けにくくなります。
これが、燃料補給時に、リグが入らなかったり、抜けなかったりする理由です。
燃料補給の際に給油が失敗すると、給油マンがアップで写されて犯人扱いされますが、彼だけが悪いわけでもありません。
ピットストップする際に、きっちりと停止位置に止められないドライバーもいて、これも燃料補給を難しくする要因の一つとなっています。
決まった場所に止めれば、給油マンも真っ直ぐにリグを挿入すうことができるのですが、そうでないと給油マンが移動するか、多少の誤差であればそのまま差し込みます。
給油のホースとリグは相当に重いようです。
大きな男が担いでやっともてるくらいの重さです。
40kgくらいあるようです。
一人で持つのは厳しいので、ホースを持つ補助する人が一人つくくらい重いので、リグを少し動かすのも大仕事です。
その為、マシンが10cm単位で違った場所に止まると、当然真っ直ぐにはまらないので、挿しにくく、抜けにくくなります。
給油時のトラブルは、給油マンだけのミスだけではないのです。
例えば、ミハエル・シューマッハーなどは決められた位置に、数センチ単位できちっと止めることができました。
その為、彼の場合はピットの作業ミスが発生する確率が低くなります。
当然タイヤ交換のスピードも速くなります。
別にNo.1ドライバーを優遇しているから、ミハエル・シューマッハーのピット作業の時は速くてミスがなく、No.2ドライバーの時にミスがでる訳ではありません。
ミスが出るのは、ミスが出るだけの理由があるのです。
またリグは金属でできているので、高熱で膨張したりすることもあり、それも作業ミスの一つの原因になると思われます。
稀にリグが故障して、燃料補給できないことがあります。
その為、給油装置は各チーム2セット、ドライバー一人に一台が用意されています。
故障した場合は、もう一人のドライバー用のリグに切り替えて補給し直しますが、当然タイムロスします。
これは、フランスのインターテクニーク社製です。
日本製にすれば、故障しないと思うのは私だけでしょうか。
ただ、この給油装置はかなり大きいので、搬送するのも大変です。
2010年以降は給油装置を輸送する費用を抑える意味で、レース中に燃料補給が禁止される予定です。
ちなみに給油するガソリン量はチームが自由に決められます。
給油する回数も自由です。
ただ、燃料タンクの大きさは、各チームで決まっていますので、当たり前ですが、それより多くは給油ができません。
燃料タンクの大きさも、チームが自由に決められます。
現状は120リットル~150リットルのチームが多いのではないでしょうか。
燃料補給の量や回数については、レース戦略の回で説明させていただきます。
- マッサ、シューマッハーそして、BMW撤退
- 墨のF1アート垂井ひろし展 at F1 PIT STOP CAFE