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イタリアGP観戦ガイド

【サーキット】 アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ 5.793km×53周=306.720km 現在、F1カレンダーの中で唯一の超高速レイアウトを持つサーキット。 ウィングを寝かしてトップスピードを稼ぐが、ダウンフォース不足により、ブレーキングや低速シケインでマシンは安定しない。 不安定なマシンを操るドライバー達の技術にも注目。 オーバーテイクポイントは1コーナーのシケイン手前のブレーキング。 パラボリカを高速で抜けた後のストレートで、前を行くマシンに接近できれば、オーバーテイクのチャンスである。 高温になることが多く、低温に悩まされることは少ない。 また、フェラーリを熱狂的に応援するティフォッシであふれた観客が醸し出す雰囲気は特別である。 【エンジン】 ワンラップのうち79%がフルスロットルであり、間違いなくエンジンに掛かる負荷は1年で一番厳しい。 その為、残りエンジン数に余裕のあるドライバーは、例外なく新しいエンジンを持ち込む。 長い直線が多いため、エンジンの最高出力がラップタイムに重要な影響を与える。 だが、同時に低速コーナーからの加速も必要なので、低回転域でのトルクの出方も重要である。 現在、最強のメルセデス・ベンツのエンジンを搭載しているマシンは有利だろう。 【シャシー】 極限まで減らしたダウンフォースで走るため、マシンは非常に不安定である。 低速シケインが存在するため、効率のいい空力パッケージを持つマシンは有利である。 特に長い直線からのハードブレーキングでは、リアのスタビリティが欠けているマシンだと厳しい。 高速からのブレーキングが多いため、ブレーキシステムにとっても難しいサーキットとなる。 ダウンフォースが削られているので、シケイン立ち上がりの、アクセルワークは繊細にしなければならない。 シケインでは縁石を乗り越えることも多いため、ギャップを乗り越えた時に安定しているサスペンションを持つマシンは速い。 マシンは一瞬、宙に浮くので、着地の際に駆動系への負荷も高い。 単純なレイアウトに見えるモンツァであるが、実はセットアップが難しい。 速く走らせるには、トップスピードとコーナーリングのバランスが非常に重要で、その最適値を決めるのは容易でない。 というのも、基本的なセットアップは、レスダウンフォースなので、セットアップの幅が非常に狭いからである。 セットアップについては、経験がものを言うので、ベテランドライバーは有利。 【KERS】 マクラーレンとフェラーリは搭載する。 さらにルノーもスペインGP以来のKERS搭載を予定している。 スタートから1コーナーまでは距離があるので、KERSのごぼう抜きが可能になる。 ルノーのパット・シモンズによると1コーナーまでに15メートルほどのアドバンテージがある見込みだ。 予選6位くらいであれば、トップに立つことは可能だろう。 予選上位陣のノンKERS組みにとっては、憂鬱なスタートになる。 また、低速シケインやパラボリカからの立ち上がりでも、タイムを稼げる。 その為、ストレートでの追い抜きも十分に可能である。 だが、シケインの入口では、リアが不安定になるので、ブレーキングは非常に難しい。 【タイヤ】 ブリヂストンはソフトとミディアムタイヤを持ち込む。 路面の粗さは標準的なので、特別タイヤに厳しいサーキットではない。 だが、最終コーナーの高速パラボリカは、左アウト側への負荷が長時間に渡って続くので、タイヤを痛めつける。 【ピット戦略】 2ストップが基本。 だが、ここはあまりフューエル・エフェクトが大きくないコースなので、中位以下のドライバーは、1ストップが多いだろう。 ただ、ワンストップ組は重い燃料で走るために、ブレーキの摩耗には要注意である。 ストップのロスタイムは、18秒+静止時間。 【レース展望】 非常に特殊なサーキットであり、予選ではマシンの性能差が表れてしまう。 フェラーリは縁石に乗り越える際のバランスがよくないので、厳しいレースになるかもしれない。 レッドブルは、効率のいい空力パッケージを持ってはいるが、ルノーエンジンがパワーで劣るために、勝つのは難しいだろう。 優勝はメルセデス・ベンツエンジン搭載の6台の争いとなる可能性が高い。 フォース・インディアの活躍が、また見られるかもしれない。

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