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インディアナポリスの真実 前編

あのUSGPで何が起こったか? どの記事を見ても、納得できなくて自分でいろいろ調べて検証してみました。 まずは時間を追って何が起こったのか確認してみよう。 16日金曜日午後 リカルド・ゾンタが乗るトヨタがタイヤトラブルでスピン。 その直後、ラルフ・シューマッハーがタイヤトラブルでクラッシュ。 この時のタイヤの裂け方は、サイドウォールが割れていて、今まで見たものがない種類のものだったことをトヨタの関係者が証言。 ミシュランのエンジニアもタイヤが異常な状態であることを確認している。 この事故でラルフ・シューマッハーはレースを欠場し、代わりにリカルド・ゾンタが出走することが決定。 金曜日のフリー走行終了後、トヨタ以外のタイヤを確認すると、他にも問題のあるタイヤが発見される。 ミシュランは壊れたタイヤを調べるが、原因はつかめず。 同時にフランスとアメリカのミシュランの施設でシュミレーションを実施したが、タイヤは問題がないことを確認している。 この時、ミシュランはトヨタが低い空気圧で走行していたことを重視し、土曜日の3回目のフリー走行では各チームに空気圧を上げ、タイヤに負担のかからないセッティングで走行するよう要請した。 同時に安全性を保証できないので土曜日は10周以上連続周回はしないようチームに指示。 BARホンダ関係者によると、今までに試したことがないくらい高い空気圧を指示されたと証言している。 17日土曜日 3回目フリー走行 ほとんどのマシンがバンクを走行せず、ピットを通過していく。 17日土曜日 4回目フリー走行 各車が予選、決勝をにらんで通常走行へ戻りバンク部分を走行開始。 出走後驚愕の事実が判明する。 1周だけ走ったツゥルーリのタイヤを調べたところ、左リアタイヤに亀裂が発見される。 タイヤが10周も持たないことが判明し、事態は急展開を見せる。 この時の各マシンのセッティングは分かれていた。 トヨタはダウンフォースを必要最低限にまで減らし、BARはウィングを立てダウンフォースをつけ摩耗を防ぐ方向でセットアップ。 これはミシュラン自身がトラブルの原因をつかんでおらず、チームへの指示が出来ていないことがこのような事態を招いた模様。 結果的にBARはタイヤトラブルがなかったようだ。 予選は登録済みのタイヤで全マシンがタイムアタックし、ヤルノ・ツゥルーリがポールポジションを獲得。 ここに来て、ミシュランはバルセロナで使用したスペックのタイヤを手配。 日曜日の朝に到着するそのタイヤを使用できるように、FIAと交渉に入る。 フリー走行後のタイヤを調べると、トヨタ以外にもサイドウォールにクラックが入っているタイヤが複数発見され、危機的な状況であることがわかる。 18日日曜日AM 金曜日に使用したタイヤを分析したミシュランは、構造が同じバルセロナ仕様のタイヤでは安全の保証ができないので、シケインの設置か、バンク部分の速度を落とさない限り、安全を保証できないとチームに伝える。 しかし、FIAはシケインの設置を拒否。 安全なタイヤを持ち込んだチームが不利益を被るからと言う理由である。 ただし、タイヤ交換については認める意向であることを示唆。 しかし、タイヤ交換はルール違反であり、当然ペナルティの対象になることを指摘。 またシケイン案は却下したが、スピード制限案には協力することを約束。 FIAが速度測定をすることを約束し、速度オーバーのマシンにはペナルティを課すことも提案。 しかし、ミシュランからはこの時、何キロ以下であればタイヤが安全であるか明示しなかった。 またミシュランはブリヂストン勢も同じく速度制限しなければ受けいられないことを明言。 その為、この案は採用されることはなかった。 各チームは協議し、フェラーリを除く9チームがシケイン設置を同意。 再度、FIAにシケイン設置案を提案。 この時の会合にフェラーリは参加していない。 呼ばなかったのか、呼ばれたが参加しなかったのかは不明。 この時、シケインを設置してノンタイトル戦として開催されることがほぼ合意しかかった模様。 しかし、この時イギリスにいたマックス・モズレーはかたくなだった。 FIAはシケインの設置は安全なタイヤを持ち込んだチームの不利益と、急遽設置されたシケインでは安全性が保証されないとして却下。 9チームはシケインの設置がなされなければ、レースのグリッドにはつかずフォーメーションラップでピットインすることを決定した。 ブリヂストンは安全でないタイヤを使用させることはしたくないので、タイヤ交換についてはFIAへ一任する形をとる。 レース開始直前 ダミーグリッドには10チーム、20台のマシンが並ぶ。 フェラーリを除く9チームが最後の会合を持ち、シケインが設置されなていないので、フォーメーションラップ終了後にレースを棄権することを確認。 フォーメーションラップがスタート。 全車、発進するもバンク部分手前のピットレーン入り口からピットへ帰還するマシンが続出。 レースを棄権することに同意していたジョーダンがピットインせずにそのままスターティング・グリッドへ向かう。 それを見たミナルディのスタッダートも走行の継続をドライバーに指示。 そして6台のレースが幕を切った。 次回「インディアナポリスの真実 後編」へ続く。

3 thoughts on “インディアナポリスの真実 前編

  1. BMWおたっきーず!Blog - BMW総合情報ブログ

    BMWウィリアムズ~アメリカGP決勝・・・・

    BMWウィリアムズ含め、ミシュラン使用の7チーム14台のマシンは1周も走らずにリタイアに終わるという前代未聞の展開に。

    初日のフリー走行、BMW WilliamsF1チームの2台は大きなトラブルもなく順調に走行を重ねた。
    しかしFW27と同じミシュラン・タイヤを装着する

  2. いいかもねっと【 スポーツ 】

    F1アメリカGP、ミシュランのタイヤに異変!?

    ***F1第9戦アメリカGP、前半戦の折り返しとなった一戦は、ミシュラン陣営がタイヤに問題を抱え、フォーメーションラップで続々とピットインし、レースを終えるといった波乱の幕開けとなった。発端はフリー走行2回目にラルフ・シューマッハ(トヨタ)がクラッシ

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