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2005 F-1 Rd15 イタリアGP 観戦記

今年、何回同じシーンを見たことだろう。 また、ライコネンのエンジンが壊れた。 今年から一つのエンジンを2レースで使用することに決められた。 メーカーとしては耐久性を見て作り込むので、エンジントラブルは予想より少なかった。 最近、エンジントラブルで載せ替えているのはいつもマクラーレン。 マクラーレンが使用するメルセデスのエンジンは現在、トップクラスのパワーを誇る。 しかし、壊れてしまっては元も子もない。 何故、パワーは多少犠牲にしても信頼性のあるエンジン作りをしてこないのだろう。 社内でコントロールできる人がいないのだろうか。 エンジントラブルにもかかわらず、ライコネンの走りは素晴らしかった。 予選は誰よりも燃料を搭載していたにもかかわらず、トップタイム。 10番手降格からのスタートになった決勝レースでもすさまじい走りを見せつけ、一時は二位をうかがうような勢いだった。 結果的にタイヤトラブルで、表彰台には届かなかったが最速マシンとドライバーは誰なのかを見せてくれた。 惜しむらくは、レース序盤にビルニューブを抜けずに10周以上つきあわされたことだ。 それがなければ優勝も夢ではなかったかもしれない。 ライコネンのマシンはレース序盤相当重かったので、軽いビルニューブを抜けなかったのだろう。 一方、モントーヤは伝統のモンツァで完勝。 最後はライコネンと全く同じタイヤトラブルでペースが落ち、アロンソに迫られる場面もあったが逃げ切り今シーズン2勝目。 本当に高速サーキットでのモントーヤは速い。 今シーズン1勝目もシルバーストーン。 勝てなかったがドイツとカナダでもミスさえなければ優勝も夢ではなかった。 さすがインディ育ちと言うべきか。 ▽好対照のルノーとBAR 本来、ピークパワーで劣るルノーはモンツァでマクラーレンに大差をつけられてもおかしくないはずなのに、2台とも素晴らしい走りを見せ、表彰台に登った。 特にアロンソは一時、モントーヤと互角の走りを見せ、最後の追い込みへとつなげることが出来た。 予選で失敗したフィジケラも良い走りを見せ表彰台をゲット。 フィジケラにとっては開幕戦で勝って以来の表彰台だ。 これでアロンソのドライバーズ・チャンピオンシップの獲得はほぼ決定。 残りはコンストラクターズタイトルの行方に焦点が絞られた。 そういう意味ではフィジケラの3位入賞はルノーにとって大きい。 一方、相変わらずちぐはぐなのがBAR。 今回は予選でバトン、琢磨とも良い走りで決勝は3位、4位スタート。 第一スティントでもいいペースだったが、あろうことか琢磨が燃料補給直後に再ピットインするという醜態を演じ、入賞圏外へ。 1度目のピットインでちゃんと燃料補給が出来ていたかわからなかったので、再ピットインしたらしい。 しかし、それは給油タンクの残り容量調べればわかるんじゃないの? 結局、燃料は入っていたらしいのだが、追加の燃料を入れられた琢磨はマシン重量が重くなり、失速した。 結局は燃料補給装置の故障だったらしいが、それによりバトンの2回目のストップもスケジュールより4周早く入る羽目になり、それが原因で8位に後退。 最後まで歯車がかみ合わない印象のBARだった。 今回は予選がよく、ホンダエンジンもあるのでかなり期待の持てたレースだったのだが、このチームの混迷はどこまで続くのか。 ▽やればできるぜ、バリチェロ 今回、バリチェロががんばった。 ミハエル・シューマッハーの前を走り、決して前を走らせなかった。 久しぶりにレーサー魂を見せてくれて、うれしかった。 来年はBARで思い切ってやってくれ。 残念ながら、タイヤがパンクして入賞できなかったが良い走りだった。 フェラーリは昨年、やることなすこと上手くいったが、今年はその逆。 勝負の厳しさを思い知らされる。 ▽シーズンのハイライト スパ 今年もスパの季節がやってきました。 GPコースの中で、最もチャレンジングなコース。 高速から中速、低速とありとあらゆるコーナーがあり、長い直線コースもある。 セッティングが難しい。 特にオー・ルージュではボトミングが発生しやすいので車高を高くしたいが、他のコーナーでは車高を低くしたい。 勝つ為には最高のマシンと最高のドライバーが必要なコース。 よって圧倒的に有利なのはライコネンとマクラーレンだが、このスパは同時にエンジンにも厳しいコース。 するとまたエンジントラブルが懸念される。 このライコネンにアロンソがどこまで食いついていけるかが、レースの焦点だろう。 スパマイスターと言えるミハエル・シューマッハーだが、さすがに今年のマシンでは厳しいだろう。 ただ問題は天候。 今年は例年より遅い時期の開催なので、天候が不安定な可能性が大きい。 すると、ブリヂストンタイヤとミハエル・シューマッハーが奇跡の勝利という結果もないとは言い切れない。 心配なのがミシュランタイヤ。 トルコでウィリアムズが、イタリアでマクラーレンの2台がタイヤトラブルに見舞われている。 ここスパはタイヤにも厳しいサーキット。 特にオー・ルージュは縦方向と横方向から同時に強力な力がかかる。 インディアナポリスと同じ状況だ。 何もおこらずにレースが終わることを願う。

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