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2012 Rd13 イタリアGP観戦記<BR>マクラーレンの圧勝とライバルの逆襲

▽ハミルトンの圧勝
ハミルトンがイタリアGPで勝利したことには驚かなかった。ベルギーGPでのバトンの優勝とセクター1、セクター3での圧倒的なタイムを見ると、ここモンツァで勝つのはマクラーレンのどちらかであることは明白だった。彼らが持ち込んだ低ドラッグのパッケージは素晴らしく、問題はどちらが勝つかということである。そしてその答えはスタート直後に出た。予選でフロントロウを独占したマクラーレンの二人だったが、予選2位のバトンがスタートで少し出遅れ3位スタートのマッサに先行を許した時点でハミルトンの勝利は約束された。ハミルトンのペースについて行けるのは事実上バトンだけだと思われていたので、バトンがマッサの後ろで走っている間にハミルトンは2位以下を10秒引き離し、事実上レースを決めた。19周目にバトンがマッサをかわして2位に上がり余裕の1-2フィニッシュのはずだったのだが、バトンは33周目に燃料ポンプのトラブルでエンジンが止まりリタイヤした。これはコンストラクターズ争いをするマクラーレンには痛いトラブルとなった。

レースはこのようにハミルトンの独走となった訳なのだが、彼らが楽勝だったかというとそうでもなかった。フェラーリとザウバーのペレスが予想以上に速かったからだ。
▽地元フェラーリの躍進
実はフェラーリは高速サーキットであるモンツァではあまり競争力がないと考えていた。フェラーリエンジンはお世辞にもパワフルとはいえないし、彼らのエア ロパッケージは効率がいいともいえなからだ。ところが彼らがモンツァに持ち込んだエアロ・パッケージはとても優れていた。予選Q3でアロンソはリアのアン チロールバーのトラブルで予選10位に沈んだが、トラブルがなければハミルトンとポールポジションを争っていただろう。

その為、このレースではライバル達とのポイント差が縮まることを覚悟していたはずなのだが、結果は全く違ったものになった。直近のライバルだったレッドブ ルの二台は揃ってリタイヤ。10位からスタートしたアロンソは3位フィニッシュ。しかもアロンソはベッテルとバトルしてコースアウトさせられた時に、マシ ンに大きなダメージを負っていた状態でこの結果である。これでアロンソとランキング2位に上がったハミルトンとの差は37ポイント。ベルギーGPでリタイ ヤし、イタリアGPの予選で10位だったことを考えると上出来である。

▽痛かった二台リタイヤのレッドブル
予選でアロンソが10位だったのでレッドブルの二台はポイント差を詰めるチャンスだった。しかしあまりにも速いアロンソはレッドブルを簡単に抜き3位表彰 台。しかもレッドブルの二台は共にリタイヤ。ベッテルのリタイヤ原因はオルターネータのトラブル。これはエンジンに供給する電気を起こすパーツだが、バレ ンシアでも同じ部品が壊れた。もちろん今回壊れたのは対策を施した部品であるが、またしても壊れた。トラブルの原因は低速でのオーバーヒートが問題だった との見方もされているが確定していない。ヨーロッパGPとイタリアGPも高温で有名なレースであり、かつ低速コーナーを持つ特徴がある。しかもモナコでも 同様の兆候が見られていたそうだ。レッドブルはエアロの効率を優先する為に、冷却に厳しいマシンとしても有名であるが、バレンシアでもモンツァでもレッド ブルとロータス共に同じトラブルが出ている。そう考えるとトラブルの原因はルノー側にあると考えていいだろう。
となると低速サーキットで行われるシンガポールGPまでに解決しないと再発する恐れもある。
ただトラブルの原因がなんであれ失ったポイントは戻ってこないのだが。

▽超速ペレスとペースのない可夢偉
2位はなんと12位からスタートのペレスだった。彼はスタートでハードを履き、29周目まで引っ張りミディアムに交換した。ところがそこからのペレスは驚 異的なタイムを連発する。1分29秒で始まった彼の第二スティントは28秒台に入り、そして最速で27秒台を記録する。これは前を走っていたフェラーリの 二台を1周最大3秒も上回る速さであった。この時ライバル達は29秒台が精一杯な状況であり、ペレスは瞬く間にマッサとアロンソをかわした。フェラーリの 二台はペレスに抵抗する隙さえ与えられなかった。もっともアロンソは上記の通りマシンにダメージがあり、なおかつペレスと争ってもメリットは少ないという 理由はあったが。これまでのレースを見るとハードとミディアムはタイム差がほとんどなかった。またモンツァのように気温が上昇するとミディアムよりハード の方が速い時も見受けられた。これはハードの方がミディアムより温度変化に鈍感だからである。それだけに今回ミディアムでのペレスの走りは信じられないほ ど速かった。もう数周あればハミルトンにすら追いついていたかもしれない。

一方チームメイトの可夢偉は9位入賞だったが、ペレスの前には霞んでしまった。可夢偉はフリー走行二回目でセットアップのミスからトラブルに見舞われて走 行距離が限られ、ロングランでのセットアップを詰められなかった。その為、予選では良かったものの、決勝でのペースは全くなかった。例え可夢偉がペレスと 同じタイヤ選択をしたとしても結果は変わらなかった。可夢偉はペレスに比べ0.5秒~1秒も遅く、これではどう作戦を変えたところで結果は変わらない。  

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