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2013 Rd3 中国GP観戦記 アロンソのパーフェクトウィン

 ▽F・アロンソのパーフェクトウィン

アロンソにとってほぼ完璧なレース運びを見せて今シーズン初勝利を飾った。
このレースの焦点はやはりタイヤだった。
レース前、ソフトタイヤは新品でもたったの8周前後しか持たないと予想されていた。
予選上位の6人は新品ソフトでQ3をアタックして3周走っており、そうすると残りはなんと5周という極端な短寿命。
ミディアムの寿命が20周前後と予想されていたので、56周のレースを考えると、上位の6人は3ストップ、Q3でアタックしなかったベッテルとバトンは2セットの新品ミディアムと1セットの新品ソフトタイヤを残しており、予選で走らなかった3周を活かして2ストップ狙い。

レースはハミルトンのリードで始まるが、タイヤの状態はフェラーリのアロンソの方が良く、5週目にコース上でパスすると残りのレースはアロンソが非常にコンスタントにいいペースを維持し続けて走り続けた。

彼はタイヤをいい状態で保ち続け、常にライバルよりいいタイムで走行し、後から後からタイヤ交換した。つまりアロンソは同じスティントの中で、ライバルと比べると常にタイヤをよりいい状態で走り続けられた。そうなるとライバル達には為す術がなく、脅威となるのは2ストップ勢だけだった。
▽3ストップに切り替えたベッテル
2ストップを選択したベッテルとバトンだったが、ベッテルは3ストップへ変更し、バトンは2ストップで走りきった。
バトンは最初から2ストップの狙い撃ちで、3ストップはほとんど選択肢になかった。
それでもバトンはタイヤを上手く使い、いいペースを常に維持していた。
結果として5位ではあるが今のマクラーレンの状態を考えると健闘したといえるだろう。
マクラーレンは自分達ペースが優勝できないのはわかっており、彼らは最初から2ストップの決め打ちでこの結果は上出来。
大きなアップデートをおこなうスペインGPまでにダメージを少なくするのが、今の彼らの目的であり、見事にその目的を果たした。

も う一人のベッテルは2ストップを狙いに言ったが結果的にミディアムタイヤの寿命を20周以上持たせることができずに3ストップに変更。最後の最後に3位の ハミルトンに迫ったのだが、表彰台を逃した。予選走行を放棄までして優勝を狙っていた彼らにとってはあまり満足できない結果だった。

▽満足のハミルトン
ポールポジションスタートのハミルトンは3位ではあったがかなり自信を持てたレースになった。
昨 年までの彼らはタイヤに厳しく、常にタイヤ交換の回数が多くて、後退することが多かったのだが、今回は違った。確かにフェラーリやロータスに比べるとタイ ヤの持ちは良くなかったが、それでもレースを通していいペースを維持できた。今回上位陣と同じタイヤ戦略で3位表彰台に上れたのは今後の自信になるだろ う。今年のメルセデスは上位陣の脅威になるかもしれない。

2位のライコネンはこの結果に満足しなければならないだろう。
アロンソがあまりにも素晴らしいレースを見せたので、それ以外のドライバーにとって2位は最高の結果である。ペレスとの接触もあったが、それがなくてもこの日のアロンソと競争するのは難しかった。

このサーキットは普段あまりレースを開催されおらず、レーシングライン以外はグリップが低いので、偶数列スタートは出遅れるドライバーが多かった。
ライコネンも2番手グリッドからスタートで順位を二つ落としてしまった。これがなければもう少しアロンソに挑戦できただろうが、今回はこれができうる最高の結果だった。
今日もまたアロンソを讃えるしかないだろう。

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