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2013 Rd.10 ハンガリーGP観戦ガイド



【開催国概要】
開催国:ハンガリー共和国
首都:ブタペスト
地理:中央ヨーロッパの内陸国
人口:10,032千人(世界80位)
GDP:約15.7兆円(世界第33位)
公用語:ハンガリー語
通貨:フォリント

【サーキット】
ハンガロリンク
距離:4.381km 周回数:70周 レース距離:306.630km
コーナー数:14 平均速度:196Km/h

多くの中低速コーナーと長いストレートを持つテクニカルなサーキット。
パーマネントサーキットでは最も平均速度が遅い。
DRSがあっても、オーバーテイクは難しい。
普段はレースが少ないことから、市街地サーキットのように金曜日の朝と日曜日の午後では路面コンディションが全く異なる。
周回ごとにグリップが向上するため、予選最後のアタックが勝負の分かれ目。

過去10回のハンガリーGPで、ポールシッターが優勝したのは4回。
決勝レースでの追い抜きは、難しいため予選が重要な意味を持つ。
そして予選順位と共にスタートダッシュも重要である。

ただし過去5年間を見ると、PPが優勝したのは1回だけというデータもある。つまり予選順位は重要であるが、波乱もあるのがこのレースの特徴でもある。
2008年、マッサが優勝目前でエンジントラブルでリタイヤし、2006年にはトップを走るアロンソがリタイヤし、ホンダのバトンが初優勝を飾った。
1997年にもトップ独走のアローズをドライブする、D・ヒルが残り数周でスローダウンしたこともある。

スタートから1コーナーまで約400mと長いので、スタート直後の順位争いが激しい。オーバーテイクが可能なのは、ストレートとターン1での飛び込みである。
今年は長い直線でDRSが使用できるので、例年以上のオーバーテイクが見られるだろう。気温は例年高く、降雨は非常に珍しい。
 【エンジン】
全開率は55%と低くエンジンの負荷は少ない。
ただ、高温になることが予想されるので、温度的には厳しく、エンジン冷却は重要な要件である。低速コーナーが多いことから、低回転域でのトルクが重要であり、ルノーエンジンは有利。
最高速度:301Km/h(DRS ON)、291Km/h(DRS OFF)
必要燃料量:150kg
燃料消費量:2.11kg/LAP

【シャシー】
ダウンフォースが大きいセットアップが基本。
効率のいいアンダーフロアから得るダウンフォースが重要になる。
また、低速コーナーではメカニカルグリップも必要になる。
その為、リア・サスペンションを柔らかくしたいが、空力の安定性とのバランスが難しい。ブレーキには厳しくないが、クールダウンする時間が少ないので摩耗は大きい。

【タイヤ】
ピレリは昨年同様、ソフトとミディアムを持ち込む。
今回から新しい構造のタイヤを使用する。これはタイヤのタレが以前のものより少ない。その為、レースで主に使用するタイヤがオプション側に移るかもしれない。そうすると再びフェラーリ、ロータス、フォースインディアは競争力を持つ。
タイヤには比較的優しいサーキットであるが、低速コーナーが多く、リアタイヤのタレやグレイニングは致命的となるので、丁寧なアクセルワークが必要。
年間を通じてほとんどレースが開催されないため、金曜日から日曜日に向かって劇的に路面状況が改善されるので、金曜日から日曜日の路面状況を想定したセットアップが重要になる。
レースは高温になることが多く、タイヤへの影響は大きい。

【DRS】
二カ所のDRSゾーンが設けられる。
検知ポイントは一つでターン13と最終コーナーであるターン14の間に設置される。最初のDRS有効ゾーンは最終コーナー立ち上がりから70m地点から。
二つ目はターン1立ち上がりからターン2までDRSが使用できる。
DRSがあっても追い抜きが難しいことに変わりはない。ただスピード差があるマシンに悩まされることは少ないだろう。

【ピット戦略】
2ストップが基本だが、気温次第で3ストップもある。
高い気温が予想され、新しいピレリタイヤの反応を見極めるのが重要。
追い抜きが難しいので、タイムよりもポジション重視の作戦がとられる。
またこのレースから週末を通じて、ピットレーンでの速度が80kmに制限される。
これまでレースでは100km制限だったので、これで約3秒ほどロスタイムが増える。よってタイヤ交換は少ない方が有利。
ストップ時間は、16.4秒+静止時間。

【セーフティカー】
セーフティカーが登場する機会は少ない。
セーフティカーの登場確率は僅かに10%。
過去7回のレースのうち2回しかセーフティカーは出ていない。

【レース展望】
レッドブルが主導権を握るが、高い気温でロータスも競争力があるだろう。
ライコネンが優勝するには二列目までスタートすることが条件。

ハミルトンはここで3勝をマークしており、現役では最多を誇る。
バトンは2勝、アロンソとライコネンとウェバーが1勝づつ勝利を記録して
いる。

【過去5年間の優勝者】
2008 H.コバライネン<マクラーレン>
2009 L.ハミルトン<マクラーレン>
2010 M.ウェバー<レッドブル>
2011 J.バトン<マクラーレン>
2012 L.ハミルトン<マクラーレン>

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