
ベッテルとレッドブルがチャンピオンになるのは、マシンがいいから、速いから。それはもちろんある。マシンが良くなければ勝てない。だがそれだけでチャンピオンになれるほど、F1は楽ではない。例えば昨年のマクラーレンはレッドブルより速い時期もあった。
彼らがチャンピオンになれるのは、安定性と継続性があるからである。例えば彼らはシーズンの前半と後半、レース毎の波が少ない。ライバルチームはシーズン序盤には調子が良く勝つが、中盤で失速する。今年のフェラーリや昨年のマクラーレンがそうだ。メルセデスもポールポジションを獲得できる時もあれば、まったくダメなレースもある。ロータスはレースにより早い遅いがはっきりしている。
シーズン中、レース毎にライバルは変わる。ある時はハミルトン、ある時はアロンソ、ある時はライコネンが挑戦する。だがその相手は大抵ベッテルである。ベッテルも勝てる時もあれば、負ける時もある(たいがい勝つが)。これをレース毎に繰り返していくと、シーズン終盤には大きな差になる。
ベッテルは確実に得点を積み重ねていく。レース毎の差はたった10ポイントかもしれないし、5ポイントかもしれない。だが20レースもそれが積み重なると、大きな差になる。そしてシーズンが終わるとポイントランキングのトップにベッテルとレッドブルがいるわけである。
参考までのチーム別の夏休み前後の5レースで獲得したポイントを比較してみた。これを見るとレッドブルの安定性がよく理解できると思う。
夏休み前5レースの獲得ポイント
1. レッドブル 146
2. メルセデス 136
3. フェラーリ 77
4. ロータス 72
夏休み明け5レースの獲得ポイント
1. レッドブル 168
2. フェラーリ 103
3. ロータス 81
4. メルセデス 79